(ブルームバーグ): 10年物米国債利回りは4%超に向かい、インフレの勢いと持続性を過小評価している投資家は一段の波乱に直面するだろう。債券市場のベテラン、スティーブン・ミラー氏がこうした見方を示した。

  カナダのCIファイナンシャル傘下GSFMの投資コンサルタントである同氏は「新型コロナウイルス禍の経済への影響が過大に評価されていることが明らかになった後も中央銀行が景気刺激を続けることでインフレの下地を作っているという懸念を多くの人が表明していた。今になって多くの人が大いに驚いていることにびっくりしている」と指摘。 

  「消費者物価指数(CPI)が急上昇した今も、投資家はインフレがいかに持続的なものになったかを過小評価している」との見方を示した。

  10日発表の米CPI統計が、物価上昇圧力はピークに達したとの期待を持ち始めていた人たちを裏切ったことで、米国債は今週、急激な売りに見舞われた。スワップ市場は、米金融当局が14、15両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.75ポイントの利上げに踏み切る確率80%超を織り込んでいる。

  ミラー氏は0.75ポイント利上げを予想し、1ポイントもあり得るとみている。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレを抑制する上で十分なペースで利上げを行っていく意向を明確にすれば、市場は少なくとも短期的には当局の行動に前向きに反応するだろうとも述べた。

  ただ、債券の長期的な見通しはなお厳しいとして、インフレ調整後では利回りが歴史的低水準にあることを踏まえると、10年債利回りは少なくとも4%を超える必要があるだろうと述べた。日本時間15日午前10時35分時点は3.42%前後。

  ミラー氏は「0.75または1ポイントの利上げは中立金利に素早く達するプロセスの一環だとパウエル議長が述べ、それが経済を衰弱させる長期の利上げサイクルではなく『短期の急激な衝撃』だと理解されれば、市場は幾分安心するだろう」とし、「米金融当局が今後数カ月に引き起こそうとしている嵐は、当局がインフレ抑制について慎重過ぎた場合には、先んじようとして積極的に行動した場合よりもひどくなるだろう」と話した。

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