(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は積極的なインフレ抑制策が超低水準にある失業率を結果的に押し上げると予想。これは過熱気味で非常に不均衡な状態の労働市場にとって必要な帰結だと、パウエルFRB議長は指摘した。

  パウエル議長は15日、記者会見の冒頭で「労働市場は極めて逼迫(ひっぱく)したままだ」と語った。会見に先立ち米連邦公開市場委員会(FOMC)は定例会合で主要政策金利を75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げるとともに、追加利上げを示唆した。

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  5月の失業率は3.6%で、50年ぶりの低水準となった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準より若干高い程度だ。一方、5月のインフレ率は前年同月比8.6%と、1981年以来の高水準だった。

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  FOMC参加者の経済予測によると、失業率は2024年10−12月(第4四半期)までに4.1%に上昇する見通し。これは金融当局の2%の物価目標に向けてインフレ率を押し下げるための需要低減で必要な水準だとの認識をパウエル議長は示した。

  「人々の失業を目指しているわけではない。働き手が多過ぎ、仕事がある人はもっと少なければならないとは決して考えないが、物価安定を伴わずに労働市場をこうした状態にはできない」と語った。

  パンデミックが始まって2年余りたち、米労働者は好調な労働市場の恩恵を再び受けつつある。黒人の労働参加率は5月に63%に上昇し、人口全体の水準を50年ぶりに上回った。働き盛りの年齢層にある女性の労働力は男性を上回る回復を示している。

  ただ過熱の兆しもある。求人数は求職者数の約2倍だ。こうした状況が賃金交渉での不均衡につながっているとパウエル氏は指摘した。

 

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