(ブルームバーグ):

米国では全国規模の過剰な在庫を背景に、消費者に思わぬ特売品探しのチャンスが生じている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期間中によく売れていた商品について、特にその傾向が顕著だ。

  ガソリンや食料品の値上がりで米国の消費者が40年ぶりの高インフレに直面する中で、そうした値引きは注目に値する。米小売りウォルマートやディスカウントストアのターゲット、アパレルのギャップは、在庫を増やしたものの消費者がもはやさほど欲しがらない不必要な商品を値下げしている。15日に発表された5月の米小売売上高は高額商品の需要鈍化が響き5カ月ぶりに前月比でマイナスとなった。

ウォルマートなど小売り大手、在庫が約5.7兆円拡大−利益を圧迫

  つまり、家具やテレビ、家庭用品、一部衣類が特売価格で購入できるということだ。ウォルマートとギャップの「オールドネイビー」ブランドはまた、予算が限られる買い物客の足が遠のかないように、一部必需品の価格を低位に維持するよう努めている。

  ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は今月に入り、「最も価格志向の強い顧客層について考える場合、われわれはそのグループを注視する。そうした層がどのように行動し、われわれに何を求めるかについてだ」とアナリストに語っている。

  今年の夏に消費者が特売品を見つけられそうなのは次の通り。

主たる食料:客足が細ることを警戒し、ウォルマートは一部の生活必需品について「最低価格水準」の上昇を抑えている。ツナ缶やマカロニ、チーズ、コメ、パン、豆、パスタといった商品に特売の可能性が高い。

一部衣料品:百貨店メーシーズも安売りの可能性を示唆。他の多くの小売業者同様に、オフィス勤務に戻る流れの中で消費者が希望するよりもカジュアルな商品の在庫を抱えている。このため、値引き販売を行う可能性を同社幹部は5月にアナリストに伝えた。ギャップはオールドネイビーブランドの子供向け一部必需品について新学期のための買い物シーズンいっぱい価格据え置きを約束している。

電化製品:ターゲットは美容やパーソナルケア用品など需要が旺盛な商品のスペースを確保するため、テレビなど場所を取る商品の値引きを迫られた。6月半ば、同社はウェブサイトで庭用家具や、トースターなどの台所用品の値引きを発表。米家電量販店ベスト・バイもコンピューターやテレビなどの販売促進を強化した。

家具・寝具:米労働省によれば、寝具を含む家具は5月に値下がりした数少ない項目の一つ。消費者は新型コロナに伴う巣ごもりの時期には人気があった食卓用リネンや家庭用品などに今はあまり出費したくない考えで、買うのをやめているとメーシーズは指摘する。購入者に敬遠されないよう、低位品の長椅子やマットレスの価格設定は「極めて慎重」に行っているという。

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