(ブルームバーグ): 中国政府が15日発表した5月の主要経済統計が示したのは新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で痛手を負った景気が、工業生産の持ち直しなどで改善しているという状況だ。だが、データを詳しく読み込むほど、経済の縮小が続いているように見える。

  減少が見込まれていた5月の工業生産は前年同月比0.7%増えた。ただ、同日発表された別の政府統計は5月の発電が前年同月比3.3%減り、電力消費は1.3%減少したことを示している。4−6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は7月になるまで発表されないが、電力データや週間統計が示唆しているのは前年割れだ。

  野村ホールディングスのエコノミストらはリポートで「一部のファンダメンタルズは公式統計が示唆するよりも悪い可能性があると考えている」と指摘。電力やセメント、粗鋼、自動車、スマートフォンの生産減少に加え、道路貨物輸送の指標が1年前と比べ19%近く低下したことに触れた。

  デジタル物流企業のG7コネクトによると、6月最初の2週間にトラックの活動は2021年の同じ時期と比較し20%余り減っており、こうした落ち込みは今月も続いている可能性がある。

鉱業部門

  工業セクターで伸びているのは、大半がエネルギーだ。特に5月の石炭生産は前年同月比10%余り増加した。セクター別データは生産増加が鉱業部門に集中していることを示している。5月の鉱業生産は前年同月比7%増と、中国経済の相当部分を占める製造業の0.1%増と比べると伸びが目立った。

  国家統計局が集計している17種類の工業製品のうち、10種類の生産は5月に前年割れ。自動車生産は5%近く減った。

  パンセオン・マクロエコノミクスの中国担当チーフエコノミスト、クレイグ・ボサム氏は「4月に増えていた電力・熱力の生産と供給は5月に前年同月比0.8%減となっており、工場の操業再開と矛盾するように見える」と指摘した。

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