(ブルームバーグ): S&P500種株価指数が示唆する米国のリセッション(景気後退)確率は85%だと、JPモルガン・チェースのストラテジストが指摘した。米金融政策の誤りに対する懸念が背景にあるという。

  同行のクオンツおよびデリバティブのストラテジストらは過去11回のリセッションで平均26%下落したS&P500種を基に分析し、警鐘を鳴らした。同株価指数は13日、高インフレと大幅利上げを巡る懸念から弱気相場入りした。

  ニコラオス・パニギリツオグル氏らストラテジストはリポートで、「市場参加者と経済関係者の間ではリセッションリスクを巡る懸念が強まっているようで、投資や支出の縮小など自身の行動に変化を促し続けるようだと、自己実現的になり得る」と指摘。「政策ミスやそれに続く政策反転に関する市場の懸念は強まっている」と言及した。

  15日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が0.75ポイントの利上げに踏み切ったものの、予想通りだったことから米国株は上昇したが、明るいムードは急速に後退。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がリセッションを招く可能性を実質的に認めたため、投資家の注目は成長リスクの方に移った。

パウエル議長、景気後退招く可能性を実質的に認める−インフレ抑制で

  JPモルガンのストラテジストによると、欧州株が示唆するリセッション確率は80%。イングランド銀行(英中央銀行)は16日、5会合連続の利上げを発表。スイス国立銀行(中銀)は予想外に2007年以来の利上げに踏み切った。

  リベラム・キャピタルのストラテジスト、ヨアヒム・クレメント、スサナ・クルーズ両氏はリポートで、「FOMCとイングランド銀の積極的な利上げにより、今や米英両国でのリセッションはほぼ確実になった」と分析。「早ければ年末にもリセッションに陥る可能性があるものの、6カ月程度の通常のシクリカルな低迷で済む可能性が高い。つまり、投資家は現在、ディフェンシブ株に一段と注目する必要があるが、2023年にはリセッションが終わり、新たな強気相場が訪れるという点は良いニュースだ」と指摘した。

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