(ブルームバーグ):

米国で1ガロン当たり5ドルを超えたガソリン価格の抑制に苦慮するバイデン政権当局者は、燃料輸出の制限を検討している。

  事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に話したところによると、ガソリンとディーゼル燃料の輸出制限を巡る議論が最近行われており、バイデン大統領は石油会社の利益急増に批判を強めている。輸出制限が検討されているが、石油製品の完全な禁輸にまでは及ばないという。

  ホワイトハウス当局者は、11月の中間選挙で上下両院の多数派維持が厳しい状況にある民主党とバイデン大統領にとって政治的リスクを高めるガソリン価格高騰を抑制するため、数々の選択肢を検討中。ジャンピエール大統領報道官は15日で、冷戦時に制定された国防生産法を使ってガソリン供給量を拡大し、価格押し下げを図ることにオープンな姿勢であることを明らかにした。

バイデン政権、ガソリン増産で国防生産法活用に前向き−大統領報道官

  検討がどの程度進んだ段階にあるかは現時点で不明。少なくとも1人の関係者は、新たな輸出規制の導入は差し迫っていないと伝えられたという。

  輸出禁止措置が講じられれば他の地政学的優先事項と矛盾する恐れがある。バイデン大統領はウクライナでの戦争のあおりを受ける欧州の同盟国のエネルギー供給確保を支援する方針を繰り返し示している。米国が欧州向けディーゼル燃料輸出を制限すれば、ロシア産依存からの脱却を図る同盟国との新たな摩擦が生じかねない。アナリストによれば、輸出制限は長期的にガソリン価格を押し下げない可能性が強い。

  ホワイトハウスの報道官に取材を試みたが、すぐには返答はなかった。

  複数の関係者によると、グランホルム米エネルギー長官は23日にこの問題について石油精製業者と会談する予定。バイデン大統領はグランホルム長官に、米石油会社と協議し「当面の在庫や価格、精製能力の問題に対処する具体案」を提示させるよう指示した。

 

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