(ブルームバーグ):

ニューヨーク・マンハッタンの複合開発事業「ハドソンヤード」を手掛けた不動産開発会社リレーテッドの創業者で資産家のスティーブン・ロス氏は、米国がリセッション(景気後退)に陥れば、オフィス復帰がなかなか進まず苦戦している企業も大量の従業員の戻りが期待できるだろうとの見方を示した。

  ロス氏は電話取材に対し、「雇用主たちは従業員を失うことを恐れてやや躊躇(ちゅうちょ)してきたが、リセッション入りとなれば、人々は職を失う可能性を恐れ、オフィス復帰は進むだろう。リセッションに陥る、あるいは状況が若干厳しくなる中で、従業員たちは職を維持して日々の糧を得る算段をしなければならないと認識することになる」と語った。

  一部雇用主による働き掛けにもかかわらず、オフィス勤務の割合は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の状況を下回っている。出入管理システム会社カストル・システムズによれば6月8日の時点でニューヨーク都市圏でのオフィス復帰率は41%。 

  金融機関のストラテジストは米リセッション入りの確率の高まりを予想しており、新型コロナで在宅勤務に慣れた多くの事務職労働者への圧力となりかねない。

  ロス氏は「企業幹部はみな、一緒に働くことの必要性を認識している。従業員を訓練し、教育する必要がある。チームとして働くものであり、個人で働くものではない」と語った。

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