(ブルームバーグ): 米連邦準備制度による過去20年で最も積極的な利上げが世界中の資産市場を揺さぶる中でも、新興国市場の一部のアウトパフォーマンスが目立ち始めている。

  米国債相場が少なくとも半世紀で最大の下げに見舞われるなど、幅広い資産が総崩れとなる一方で、新興国市場はこれまでのところ米国に比べ下げが小さい。新興国の社債相場は米国のハイイールド債よりも底堅く、新興国株はS&P500種株価指数との比較で3カ月ぶりの高水準にある。

  これは直感的には理解しにくい。リスク資産は市場が不安定な状況では売られやすいためで、新興国株は確かに打撃を受けており、新興国株の主要指数は週間ベースで3月以来の大きな下げを記録した。しかし、こうした混乱の大部分は米経済成長見通しを巡る懸念を背景とした米国資産の動きに起因しており、新興国の相対的な魅力は高まりつつある。

  ウィリアム・ブレア・インベストメント・マネジメントの新興国債ポートフォリオマネジャー、ルイス・ジョーンズ氏は「新興国市場に対するネガティブな見方は比較的短命に終わるだろう」と予想。「米国がリセッション(景気後退)に近づくにつれ、新興国と先進国の成長の差が拡大する見通しだ」と指摘した。

  米ハイイールド社債売りが深刻化し、平均利回りは過去1年で2倍強に上昇した一方で、新興国市場の社債相場は比較的小幅な下落にとどまっている。新興国市場債と米ハイイールド債の利回りスプレッドは今年、プラスからマイナスに転じており、新興国債利回りは相対的に見て2020年11月以来の低水準にある。

  株式市場でも新興国のアウトパフォーマンスが目立つ。MSCI新興市場指数は21年2月から22年5月にかけて32%下落したが、米国株の指標より下げは小さい。新興国株は先週、米国株との比較で3カ月ぶりの高水準に達した。

 

Fed’s Big Rate Hike Unearths Bounty in Pockets of Emerging World(抜粋)

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