(ブルームバーグ): 米国債利回りの上昇は、とりわけリセッション(景気後退)の可能性が高まっている中では債券市場の「価値を回復」させる動きだと、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)が指摘した。

  PIMCOで非伝統的戦略の最高投資責任者(CIO)を務めるマーク・サイドナー氏は同社ウェブサイトに掲載されたリポートで、「経済がどこに向かっているのかを示す最近の兆候に基づくと、特に債券の投資見通しは建設的になったと確信している」と主張。「債券市場の比較的ディフェンシブな一角では、今やしばらく見られなかったほどの魅力的な利回りを提供しているものもある。投資家にとって潜在収入と許容誤差の拡大が後押しされた格好だ」と続けた。

  債券投資家は今年に入り前例のない損失を被った。米金融当局の積極的な利上げを背景に、ブルームバーグ米国総合債券指数は11%余り下落した。米10年債利回りは先週、2011年以来となる3.5%前後に上昇した。

  一方、利回り上昇は金融環境を引き締め、株式を弱気相場に突き落とし、住宅市場を含む金利感応度の高い業界を減速させつつある。アトランタ連銀の経済予測モデルGDPナウは、米国の経済成長率がほぼゼロに減速することを示している。

  サイドナー氏は「債券は景気後退期に堅調なパフォーマンスとなる傾向がある。米金融当局がインフレ抑制に成功するなら、債券投資にはいっそう力強い状況を生む可能性がある」と指摘。利回り上昇は「潜在収入と多様化の特性という2つの点で新規投資の参入機会を改善した。この2つは債券を保有する根本的な理由だ」と論じた。

  米金融当局は先週、0.75ポイントの利上げを決定したが、それ以前に同様の利上げに踏み切った1994年と現在は似ているとサイドナー氏は指摘。94年当時は当局が最後の利上げを行う前に債券利回りはピークを付けていたことに触れた。

  「今回、当局は早くから大幅な利上げを進めており、政策金利が最終的な目標に達するかなり前に利回りはピークを付ける可能性が高まっている」と同氏は述べ、米当局がインフレを2%の目標値付近まで減速させることができた場合、米国債はプラスの実質利回りを生む可能性もあると付け加えた。

Pimco Says Bond Market Outlook Improves After ‘Historic’ Moves(抜粋)

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