(ブルームバーグ): ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、各国・地域の中央銀行がインフレ抑制の取り組みを強化する中で、世界経済がリセッション(景気後退)に向かっているとの見方を示した。

  同CEOは22日、フランクフルトで開催された「フューチャー・オブ・ファイナンス」で、中国でのサプライチェーン問題や食料品値上がりなどの負担によって、世界経済が押しつぶされつつあると指摘した。

  ゼービング氏はインタビューで「世界的なリセッションの確率は少なくとも50%あると思う」とし、金利が上昇する中で米国と欧州で「2023年下期に景気後退が訪れる可能性は、ウクライナでの戦争が始まる前に予想したよりも明らかに高い」との見方を示した。

  シティグループのエコノミストらも、世界経済がリセッション入りする確率は50%に近づいていると見積もっている。中央銀行による金融引き締めと、モノへの需要後退によって景気が悪化するとみている。

  供給ショックがインフレを押し上げ成長を押し下げ続ける一方、中央銀行は金利を積極的に引き上げ、モノに対する消費者の需要も軟化している。ネイサン・シーツ氏らエコノミストが22日のリポートで指摘した。

  「過去の経験は、ディスインフレが成長への大きなコストとなることが多いことを示唆しており、景気後退の確率が現在50%に近づいていると考えている」とし、「中銀が自らの見通しや当社の予想に沿った軟着陸、あるいは軟着陸気味の結果をもたらす可能性はまだあるが、そのためには供給ショックが落ち着き、需要の底堅さが続く必要がある」と分析した。

  シティは現在、今年の世界経済成長率を3%、2023年を2.8%と予想。景気後退が発生した場合は失業率が数ポイント上昇し、生産が2、3四半期にわたり弱まるとみている。

  「これは合理的な予想だと考えているが、ワイルドカードはインフレ圧力がどの程度執拗(しつよう)であるかだ」との見方を示した。

 

(第1−3段落にドイツ銀行CEOの見解を追加します)

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