(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日の議会証言で、インフレ抑制を目指した大幅利上げにより米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性があることを、これまでで最も明確に認めました。ただ議長はデータや見通しの変化に「機敏に」対応していく姿勢も見せています。リセッション回避に向け今後もインフレと景気動向をにらみながらの難しいかじ取りが続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「可能性」認める

パウエルFRB議長は上院銀行委員会の公聴会で証言。質疑応答でリセッションについて問われ、「可能性があるのは間違いない」と述べた。経済をソフトランディング(軟着陸)させることが当局の目標だとしつつ、その実現は「非常に困難なものになるだろう」と説明。「戦争や商品価格、サプライチェーン問題の深刻化など、ここ数カ月の出来事により困難さが著しく増している」と語った。

需要減が影響

米JPモルガン・チェースは今週に入り、住宅ローン事業の従業員数百人をレイオフし、数百人を配置転換している。住宅ローン金利の急上昇を受け、活況を呈していた住宅市場の需要が減退していることが背景。関係者によると、影響を受けるのは計1000人余りに上り、その約半数は別の部門に異動した。同行広報担当者は発表文で、「人員配置を巡る今週の決定は住宅ローン市場でのシクリカルな変化の結果だ」と説明した。

確率は約5割

ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、各国・地域の中央銀行がインフレ抑制の取り組みを強化する中で、世界経済がリセッションに向かっているとの見方を示した。インタビューで同氏は、「世界的なリセッションの確率は少なくとも50%あると思う」と述べた。またシティグループのエコノミストらも、世界経済がリセッション入りする確率は50%に近づいていると見積もっている。中央銀行による金融引き締めと、モノへの需要後退によって景気が悪化するとみている。

スタグフレーション見込まず

欧州経済の専門家は域内経済が1970年代のようなスタグフレーションに陥るとは考えていない。欧州中央銀行(ECB)が分析した。ECBの研究者らはリポートで、ロシアのウクライナ侵攻を受けて成長予測が下方修正され物価予想は引き上げられたものの、経済活動は来年も拡大し、インフレ率は2023年下期に2%を下回ると見込まれると説明した。「現在の専門家予測はスタグフレーションのシナリオからは依然として程遠い」とした上で、「しかし不確実性は増しており」、予測のレンジは広がったと付け加えた。

銘柄選定が重要に

株式市場の熱狂が冷める中、ファンダメンタルズおよび銘柄選定を重視して混乱を乗り切ることが投資家には必要になると、ゴールドマン・サックス・グループの元シニア投資ストラテジスト、アビー・ジョセフ・コーエン氏が指摘した。株式相場はインフレ高進と米利上げによる圧力を受けており、今年上期のS&P500種株価指数のパフォーマンスはニクソン政権時代以来で最悪となる見通し。コーエン氏は、こうした売り優勢の局面では個別銘柄の選択が重要になると、ブルームバーグ・サーベイランスのインタビューで述べた。

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