(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は24日の定時株主総会で、上場準備を進めている半導体設計子会社のアームについて、「ロンドンで上場させてほしいという依頼が多い」ことを明らかにした。米国市場からもアプローチを受けており、「本命はナスダックだが、まだ決めていない」と語った。

  運用するビジョン・ファンドの成績悪化で同社の業績は過去最高の黒字から過去最大の赤字に転落し、株価の低迷も続く中で迎えたこの日の総会では、一部株主から現状の株価に対する厳しい声も寄せられた。

  「ソフトバンクグループの株価を長い目で見ろとはどのくらいか」との質問に対し、孫社長は「何十年まで待つことはないが、分からない。5年、10年の単位で見れば、私はかなり自信がある」と述べた。

  総会終盤では、前期末に1株当たり22円、年間で44円の配当を実施するほか、取締役9人の選任など3つの議案について審議した。取締役は孫社長をはじめ8人が再任、リップブー・タン氏に代わりスタートアップ投資のDCMベンチャーズの共同設立者であるデビッド・チャオ⽒が新任の候補で、全ての議案が賛成多数で可決された。

総会終了(12時41分)

  12時29分ごろに全ての議事は終了したが、その後取締役を退任するリップブー・タン氏や新たに取締役に就任したデビッド・チャオ⽒があいさつ。最後に、10年以上前に作られたというイメージビデオが流され、総会が終了した。

議案採決(12時26分)

  質疑応答が終了し、3議案の採決を行った。全ての議案が賛成多数で可決。

社外取締役のソフトバンクGの見方(12時10分)

  ソフトバンクGの企業リスクを問う質問を受け、社外取締役各氏に発言機会が与えられた。三井物産出身の飯島彰己氏は、「孫さんの後継リスクは永遠の課題だ」と発言。東京大学大学院教授でもある松尾豊氏は、ソフトバンクGのリスクは「やることが変わること。ただこれは進化していくことであり、素早く対応し、リスクを軽減している」との認識を示した。

  コーエーテクモホールディングスの会長でもある襟川恵子氏は、「経営は常にリスクを伴う。私もグローバルに投資をしているが、孫さんは類いまれなるリスク判断ができる方と感じている」と述べた。

増配や自社株買いに関する質問(11時50分)

  孫社長は「安定配当は続けた方がいい」としながらも、配当は特定の日の株主に出すもので、「自社株買いは1株当たりの価値が増えるので、ベターな気がする」と述べた。

  さらなる自社株買いの可能性を問われ、「やるつもりだ」と明言。ただし、「いつやるか、毎年やるかは未定」だとも語った。

国内のベンチャー環境は(11時45分)

  国内のベンチャー環境をどう思うかと株主から質問を受け、孫社長は「よい企業があれば増やしていくが、日本のAIのユニコーンの数はあまりにも少ない」と話した。遅れている事実を認識してほしいとした上で、日本の若い起業家がAIを武器に大きく育ってくれれば、ビジョンファンドとして投資できるようになるとも語った。

中国のビジネス環境は(11時40分)

  株主から中国のビジネス環境についての見通しを聞かれ、孫社長は中国はAIのすばらしい技術を持った会社が現れているが、「政府の方針が影響する。どういう方針が打ち出されるのか、われわれには分かりにくいので、方針が明確になるまで無茶をしない」と回答した。

  一方、保有するアリババグループ・ホールディング株については「価値はポートフォリオの中の約2割で、今はアリババがこけたら皆こけたとはならない」と発言。

株価上昇は何十年待てば良いのか(11時30分)

  「ソフトバンクグループの株価を長い目で見ろとはどのくらいか」との質問がインターネットを通じて株主から寄せられた。孫社長は「何十年まで待つことはないが、分からない。5年、10年の単位で見れば、私はかなり自信がある」と発言。その上で、「NAVは時価総額と同じ意味。絵に描いた餅ではなく、NAVこそが増やすべきものである」と強調した。

アームの上場先(11時20分)

  孫社長は、上場準備を進めているアームについて「ロンドンで上場させてほしいという依頼が多い」ことを明らかにした。米国の株式市場からもラブコールがあり、「本命はナスダックだが、まだ決めていない」と説明。バンカーらと検討を重ねている最中だと話した。

質疑応答始まる(11時10分)

  およそ1時間に及ぶプレゼンテーションを終えた孫社長は「しゃべり過ぎた」と反省。その後、総会会場に来場している株主からの発言を許した。

しつこく説明する(10時50分)

  孫社長は自身のプレゼンテーション手法を例に「同じ話を繰り返し言うから飽きたという人もいるかもしれない。ときどき信じられなくなることもあるかもしれないが、しつこくしつこく繰り返して説明する」と発言した。

  株主に対し、「時々ソフトバンクGの株価が信じられなくなると思うこともあるでしょうが、何回も聞いた方がいい。迷いがなくなる」と語りかけた上で、ソフトバンクG株は上がったり下がったり激しく、「信用買いで買っている人は気を付けて」と述べた。

情報革命の最先端はAI(午前10時40分)

  ビジョンファンドは世界最大のAI(人工知能)ユニコーンの資本家であると孫社長は述べた。AIを使ったユニコーンは単なる中小企業とは別で、ユニコーンには進化のためのビジョンがあると指摘。「普通の中小企業は馬であり、ユニコーンは羽の生えた馬。ユニコーンの3分の1ぐらいはビジョンファンドが株主」だと語った。

  その後、「世界一のスーパーコンピューター『富岳』のCPUも全部アームだ」とし、アームは「ソフトバンクGの中核の中の中核になる」と重要性を強調した。

孫社長のプレゼンテーション始まる(午前10時19分)

  ソフトバンクグループの株価は今後上がるのかーー。孫社長は株主にこう切り出し、同社株の上場来の長期チャートを示しながら、「なんとなく右肩上がり」と説明。基本的にグループが保有しているNAV(ネットアセットバリュー)に比例して動いていると解説した。

  また、ソフトバンクGは「情報革命の最先端企業だけの株を持つ」と強調し、情報革命が必ず来るとの信念について「一切迷っていない。創業来、一日も迷ったことがない」と述べた。

ビデオで事業説明(午前10時7分)

  主力の投資事業のほか、通信子会社のソフトバンク事業、米エヌビディアへの売却を中止し、株式上場を準備する半導体設計子会社のアーム事業など各ビジネスの動向のほか、財務状況などについてビデオによる説明を行った。

  この中で、地政学的リスクや金融引き締めなどが企業価値を押し下げ、3兆円を超す投資損失を計上したことを説明。一方、投資回収が確実に進んでいることやアリババ株の活用など確実な資金調達が行われていることをアピールした。

株主総会始まる(午前10時)

  孫正義社長が冒頭、株主総会の開始と自身が議長を務めることを宣言し、出席者数が規定を満たしたことで今総会が成立していることを説明した。

©2022 Bloomberg L.P.