(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)に興味のある株式投資家は、ここ1週間のデジタル資産関連企業の株価回復もほとんど慰めになっていないだろう。この分野は今年の金融市場でほかのどんな高リスク資産よりも大きくアンダーパフォームしてきたからだ。

  仮想通貨関連エクスポージャーを取る最良の方法の1つだと昨年のナスダック上場時に宣伝された暗号資産交換業者コインベース・グローバルは、昨年12月以来75%の大幅下落。マイクロストラテジーは62%値下がりし、ビットコインよりも下げがきつい。マイケル・セイラー最高経営責任者(CEO)がバランスシートにビットコインを加えて以来、同社はビットコインに代用するものとみなされてきた。デジタルトークンのマイニング大手マラソン・デジタル・ホールディングスやライオット・ブロックチェーンも同程度値下がりしている。

  4−6月(第2四半期)末が近づく中、仮想通貨関連株は世界の高リスク資産の一つとしてデジタル資産と同列とみなされている。NYSEファクトセット・グローバル・ブロックチェーン・テクノロジーズ指数は年初来で65%下落し、ビットコインだけでなく、いわゆるミーム株の指数や、特別買収目的会社(SPAC)の指数よりもアンダーパフォームしている。

  インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は、仮想通貨関連株は「基本的に、存在する最もリスクの高い資産に対するレバレッジ投資だ」と指摘。それより高リスクと考えられるのは一部のミーム株やペニー株などほんのわずかしかないと付け加えた。

  ビットコインの大幅下落は過去約12年の歴史で目新しいものではないものの、最近の売り浴びせは特に猛烈で、その損失は仮想通貨業界全般に見られた。わずか半年弱で、仮想通貨市場は価値が1兆ドル(約135兆円)余り消失。デジタル資産の規模上位100の指数は約59%下落し、2018年の弱気相場以来最悪の1年になるペース。

  仮想通貨関連株の下落はビットコインが6万9000ドル付近の過去最高値を付けた昨年11月初めから始まり、今年に入って下げは加速している。米連邦準備制度がインフレ抑制を目指し積極的に利上げを進めているため米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念が広がっており、世界の投資家のリスク資産離れが始まった。さらに、5月にはステーブルコインの「テラUSD」と仮想通貨ルナのエコシステムが崩壊して業界全般にパニック売りを誘発し、投資家の痛手が深まった。

  こうしたリスクや大幅な株価下落をよそにウォール街のアナリストは仮想通貨関連株の大部分に依然として楽観的だ。だが、仮想通貨市場のおおむね前向きな長期見通しには警告もある。

  コンパス・ポイントのアナリスト、クリス・アレン氏は「仮想通貨相場が完全に危機を脱したとの見方にわれわれは依然として懐疑的だ」と述べ、仮想通貨貸し付けのセルシウスや暗号資産ヘッジファンド、スリー・アローズ・キャピタルの状況を巡る不確実性と、結果的に生じる可能性の高い資産売却を踏まえれば、さらに下振れする恐れがあると予想した。

Crypto Stocks Show Why They’re Among the Riskiest of Risk Assets(抜粋)

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