(ブルームバーグ): 上場投資信託(ETF)市場で株式押し目買いの動きが消えた。2022年に入ってからの相場下落で投資家の残高が打撃を受ける機会があまりにも多かったためだ。

  具体的に言えば、それは3回だ。S&P500種株価指数が今年5%以上、反発した回数で、その度にETFに数十億ドルの資金が流入してきたが、今年これまでの相場反発は持続的でなかった。ただ今回は違う。

  S&P500種は24日、今年の安値からの上昇率が6%を超えたが、ブルームバーグのデータによると、株式ファンドから約100億ドル(約1兆3600億円)が流出した。

  弱気な動きは今週の前触れとなった。本格的な売りが再開し、S&P500種は28日の取引で2%下落した。

  ETFからの資金流出は投資家心理が落ち込んでいることの新たな証左だ。押し目買いは一時は成功をもたらしたが、うまく行かなくなった。

  モルガン・スタンレーが追跡するヘッジファンドはここ2週間のある時点で、株式エクスポージャーを2009年以来の低水準に縮小した。一方、個人投資家は長期間続けてきた強気のスタンスを断念し、約2年ぶりのペースで株式を売却している。

  あらゆる弱気な動きは最終的には、逆張り派が持続的な回復と見なす状況の土台となる可能性がある。だが現状では、いかなる反発もベアマーケットラリー(弱気相場の一時的な株高)に過ぎないという不安増大を反映している。米金融当局はインフレ抑制に向けここ数十年で最も積極的な引き締めサイクルにコミットしている。

  CIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)はインタビューで、「押し目買いは金融当局が緩和と市場への流動性供給を進めている局面では良い戦略だ」とした上で、「当局が引き締めモードにある際には、相場上昇時に売るのがより良い取引戦略だ。今回の弱気相場が底入れしたとは思わない」と語った。

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