(ブルームバーグ): 29日の米株式市場では、S&P500種株価指数がほぼ変わらずで終了。景気見通しや金利に関する世界の主要中銀トップの発言が意識される中、方向感に欠ける展開だった。

  ドル・円相場は上昇し、一時137円ちょうどを付けたが、その後は伸び悩んだ。

  S&P500種は前日比0.1%未満下げて3818.83。投資家が注目しているテクニカル水準の3815は上回って引けた。ナスダック総合指数も0.1%未満の下落。一方、ダウ工業株30種平均は82.32ドル(0.3%)高の31029.31ドル。四半期末のポートフォリオ調整も市場の荒い値動きにつながった。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は米経済が「力強い状態」にあり、「金融引き締めに十分耐えられる状態だ」と指摘。インフレを低下させることへのコミットメントをあらためて表明し、そのプロセスは一定の「痛み」を伴う可能性が高いと付け加えた。パウエル氏はラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、イングランド銀行のベイリー総裁とパネル討論で発言した。

パウエル議長、リセッション回避に自信−困難さ増したと認識 (3)

  SEIインベストメンツのチーフマーケットストラテジスト、ジェームズ・ソロウェイ氏は「今年に入ってからの株式と債券の下落で、フロス(泡)は確かに金融市場から取り除かれたようだ」と指摘。「それは良いニュースだ。悪いニュースはリセッション(景気後退)とそれに伴う企業業績の悪化がまだ完全に織り込まれていない可能性があることだ」と述べた。

  米国債相場は上昇。米経済が利上げに耐え得るのかを巡って懸念が強まった。ニューヨーク時間午後4時19分現在、10年債利回りが8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.10%。

  外国為替市場ではドルとスイス・フランが上昇。パウエルFRB議長ら主要中銀当局者による通貨や景気見通しなどに関する発言を受けて、逃避需要の買いが入った。月末のポートフォリオ調整に伴うフローもドルを支えた。

  円はドルに対して一時24年ぶり安値を更新。インフレを減速させることに関するパウエル議長発言が手掛かりとなった。ただ、その後は原油価格の下落を背景に円は下げ渋り、136円台半ば。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.5%上昇。ニューヨーク時間午後4時19分現在、ドルは対円で0.4%高の1ドル=136円66銭。ユーロは対ドルで0.7%安の1ユーロ=1.0441ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は反落。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で原油在庫が減少した一方、ガソリン需要の4週平均は減少し、この時期としては2014年以来の低水準となった(2020年を除く)。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は、前日比1.98ドル(1.8%)安の1バレル=109.78ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント8月限は1.72ドル下げて116.26ドル。

  ニューヨーク金先物相場は小幅続落。米経済は「力強い状態」にあり、FRBはインフレを2%に低下させることができるとするバウエル議長の発言が材料視された。

  ニューヨーク時間午後3時7分現在、金スポット価格は前日比0.1%安。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.2%安の1オンス=1817.50ドルで終えた。

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