(ブルームバーグ): グローバル市場の損失の大きさが、ウォール街の金融機関の債券トレーダーをおびえさせている。

  多くがリスク圧縮に動き、わずか短期間でも債券を保有しなければならない場合は、顧客との売買を拒否するケースさえあると市場参加者は話す。これらの関係者によれば、シティグループとドイツ銀行、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースを含む最大手のグローバル金融機関も、欧米債券市場の一部で関与を減らしている。

  こうした動きは市場の一部が機能停止となることを意味し、クレジットファンドの償還請求に応じるため、急ぎ証券を売却しようとする資産運用会社に支障を来す。

  BofAグローバルリサーチのアナリストが先週公表したリポートによると、欧州の債券ファンドは今月に入り、2020年3月以降で最も速いペースで資金が流出した。米国の高格付け債投資家も今や過去最長の13週連続で資金を引き揚げている。

 

 

  アリアンツ・グローバルでグローバルハイイールドの最高投資責任者(CIO)を務めるデービッド・ニューマン氏は「最も必要な時期であるにもかかわらず、流動性が非常に不足している。本来なら極めて流動性の高いポジションであるはずが、解消に数週間を要する場合もある。逆に良いチャンスと思われるポジションも購入できない状況だ」とインタビューで語った。

  債券は株式のように取引所経由でなく店頭市場で通常売買されるため、金融機関の役割は極めて重要だ。数百万ユーロ単位とはるかに大きな取引額になることも多く、顧客が買い手を見つけられなければ、大量のポジションを保有するリスクを負う。

  XAIAインベストメントのマネジングディレクター、ヨッヒェン・フェルゼンハイマー氏は「流動性がすっかり枯渇し、金融機関はバランスシートにいかなるリスクも引き受ける気はない。どの銀行も一つのミスも犯さないようトレーダーに伝えており、それを避けるために彼らはゼロリスクの対応を行っている」と指摘した。

  各金融機関の担当者はコメントを控えている。

 

  マーケットアクセスによれば、欧州の高利回り債の今年6月1−24日の取引額は141億ユーロ(約2兆円)と、前年同期の278億ユーロを大きく下回った。米国のジャンク債(投機的格付け債)の取引額も約1600億ドル(約22兆円)と前年の2070億ドルから減少した。

  非公開取引を理由にトレーダーの1人が匿名を条件に語ったところでは、売却が難しい債券を抱える一部投資家はリスクヘッジに動いており、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のインデックス取引によるプロテクション購入が最も一般的という。

 

Bond Traders at Banks Are Slashing Risk, Trapping Some Investors(抜粋)

(高利回り債の取引額減少などを追加して更新します)

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