(ブルームバーグ): インドネシアのジョコ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領から預かったメッセージをロシアのプーチン大統領に手渡したと明らかにした。米国はウクライナに対し8億ドルの追加軍事支援を発表する予定だと、バイデン大統領がマドリードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会談で語った。

  ロシアは戦略的に重要な黒海の蛇島から部隊を引き揚げたことを認めた。これに先立ち、ロシア軍はミサイル攻撃などで蛇島からの撤退を強いられたと、ウクライナ側が発表していた。撤退について、ロシアはウクライナの穀物輸出を妨げていないことを示す目的だと説明している。

ロシア軍、黒海の蛇島から撤退−ウクライナの穀物輸出支援と説明 (1)

  スウェーデンとフィンランドの加盟申請を認めるNATOの決定について、プーチン大統領は軍事力が増強されるなら対応すると警告。ストルテンベルグ事務総長は、今のところロシアは完全にウクライナに集中しているとの見解を示した。

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ウクライナ、債務再編の選択肢を検討

  ウクライナ政府当局者は債務再編の可能性を探っている。資金調達の選択肢が尽きる恐れがあるためだという。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。

  複数のシナリオが検討されており、夏の終わりまで決定は下されない見通し。非公開の協議内容だとして関係者は匿名を条件に語った。ブルームバーグの試算によると、ウクライナは14億ドルの元利払い期日を迎える9月1日までは少なくとも時間的な猶予がある。

 

ゼレンスキー大統領のメッセージ、プーチン大統領に手渡した−ジョコ大統領

  インドネシアのジョコ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領から預かったメッセージをロシアのプーチン大統領に手渡したと明らかにした。ジョコ大統領は29日にキーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談していた。

  30日にロシア大統領府でプーチン氏と会談した後、ジョコ氏はメッセージの内容については触れず、「両首脳の対話を後押しする用意があると表明した」と語った。

ロシア、G20サミットにプーチン大統領が直接出席しない可能性示唆

  インドネシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)にプーチン大統領が直接出席する可能性もあれば、代理を派遣する可能性もあると、インタファクス通信がペスコフ大統領報道官の話として伝えた。同報道官は「ロシアの利益に最もかなう形を決定する」と述べたという。

  イタリアのドラギ首相は28日、プーチン大統領が現地入りして対面で出席することはないとインドネシアのジョコ大統領から聞いたと話したが、これに関してロシア大統領府はコメントを控えた。

米国、ウクライナに8億ドルの追加軍事支援発表へ−バイデン大統領

  米国はウクライナ向けに8億ドル(約1100億円)の追加軍事支援を近日中に発表すると、バイデン大統領が明らかにした。新たな支援には「西側の新型高度防空システム」やミサイル発射装置、弾薬などが含まれるという。

NATO、「あらゆる事態に準備」−事務総長

  北大西洋条約機構(NATO)はフィンランドとスウェーデンの加盟に伴う「あらゆる事態に備えている」と、ストルテンベルグ事務総長が述べた。NATOが軍事力を増強すればロシアは対応するとのプーチン大統領の発言について問われ、回答した。

  ストルテンベルグ氏はマドリードで開かれたNATO首脳会談後に、「全ての同盟国と、フィンランドとスウェーデンも当然守る用意がある」と明言。ロシアは今のところウクライナに「完全に集中している」とも語った。

ロシア軍、黒海の蛇島から撤退

  ロシア軍は黒海のウクライナ領蛇島から部隊を引き揚げたと、ロシア国防省が発表した。これに先駆けてウクライナ軍は、ロシア軍が大規模な攻撃を受けて撤退したと主張していた。

ロシア産ガス禁輸想定を−ECBが配当計画巡り銀行に要請へ

  欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のエンリア委員長は30日、ユーロ圏の銀行に対し株主配当を検討する際、ロシアからのガス供給が止まった場合の経済的打撃を想定するよう求める方針を明らかにした。

ロシア産ガス禁輸想定を−ECBが配当計画巡り銀行に要請へ

ロシアが占領した黒海沿岸の港から穀物輸送、機雷撤去後

  ロシアが占領したウクライナ領ベルジャンシクの港から穀物7000トンを輸送する商船が出発したと、現地の占領当局責任者の話としてロシア国営タス通信が伝えた。同港は機雷除去の後、再稼働しており、再開後で商船の出航は初めてだという。

  この占領当局責任者は、ロシア黒海艦隊の護衛でこの穀物は「友好国」に向かっているとしつつ、具体的な国名は挙げなかったという。

英国が10億ポンドの対ウクライナ追加軍事支援

  英首相府はジョンソン首相がNATO首脳会議で10億ポンドの対ウクライナ追加軍事支援を発表すると明らかにした。電子メールで声明を送付した。これによりロシアの侵攻開始以来、英国のウクライナ軍事支援は総額23億ポンドになるという。

米国家情報長官、ロシアはウクライナで「過酷な苦闘」強いられる

  ヘインズ長官は商務省産業安全保障局の年次会合で、米情報当局が想定した3つのシナリオのうち、これが最も可能性が高いと述べた。

ウクライナ、捕虜交換で144人が帰国へ−侵攻開始後で最大規模

  ウクライナ政府はロシア側と捕虜交換に合意。2月24日の侵攻開始後で最大規模の144人が帰国する。軍情報機関がテレグラムで明らかにした。このうち43人はマリウポリのアゾフスターリ製鉄所で抵抗を続けた「アゾフ連隊」に所属する。帰国する兵士の大半が重傷だという。

ゼレンスキー氏、G20首脳会議への出席は条件次第

  インタファクス通信によれば、ゼレンスキー氏はインドネシアが議長国を務める今年の20カ国・地域(G20)首脳会議への出席について、安全を巡る状況と「出席者リスト」次第だとの考えを示した。ロシアのプーチン大統領もG20に招待されている。

NATO、スウェーデンとフィンランドの加盟を支持

  NATO加盟国首脳はスウェーデンとフィンランドの加盟を正式に支持し、両国の加盟議定書に署名することに合意した。

  NATO首脳は「フィンランドとスウェーデンの加盟により両国のさらなる安全と、NATOの強化、欧州・大西洋の一段の安定がもたらされる」と指摘。「フィンランドとスウェーデンの安全保障は加盟手続き期間も含めNATOにとっては重要」との見解で一致した。

Ukraine Considering Debt Restructuring Options as Payments Loom(抜粋)

 

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