(ブルームバーグ): 米株式市場でショート(空売り)するには良い時期であることは分かりきったことだが、2022年の弱気派トレーダーの成功は運以上のものだ。

  S&P500種株価指数が過去半年間に約20%下落した中、株価下落を見込む空売り筋に人気の銘柄群はさらに大幅な値下がりとなっている。例えば、ゴールドマン・サックス・グループが算出する空売り銘柄の指数は37%下落。弱気派が相場の下降気流に最もさらされる銘柄の選別で特に優れた仕事をしたことを示唆した。

  ベッド・バス・アンド・ビヨンドやニコラ、ビヨンド・ミートなど、赤字経営でも難なく株価が高騰していた銘柄は、米金融当局がここ数十年で最も積極的な政策引き締めに乗り出したことを受けて急落。これら3銘柄は少なくとも50%値下がりし、空売り投資家に利益をもたらしている。

  トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの創業者、マイケル・パーブス氏は、「株価高騰銘柄の多くは途方もない水準につり上げられていた」と指摘。「これらの銘柄が真っ先に格好の空売り機会をもたらした」と付け加えた。

  HFRの集計データによれば、6年連続で資金引き揚げが続いていたロング・ショート戦略型ヘッジファンドは1−3月(第1四半期)に資金が流入した。

  データ分析会社S3パートナーズの試算によれば、市場全体で空売り投資家の年初来の評価益は約3000億ドル(約41兆円)に上るという。

  昨年までは株高が続き、弱気派は絶滅寸前に追い込まれていたが、今は米金融当局が物価高騰と戦う姿勢を示し株式強気派を支援する役割を放棄しており、空売り投資家に輝く好機をもたらしている。

  株式空売りによる利益がロング・ショート型ヘッジファンドの運用成績を支えており、HFRの追跡するこうしたファンドの今年1ー5月のリターンは、S&P500種株価指数を約5ポイント上回っている。過去13年間にわたりS&P500種に出遅れていたヘッジファンドは見事に逆転した形だ。

Bears Picked Right Stocks to Short With Declines Twice the S&P’s(抜粋)

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