(ブルームバーグ): 東芝が募っている株式非公開化などの提案に、東京電力ホールディングスも参加の検討をしていることが分かった。政府系の産業革新投資機構(JIC)と日系プライベート・エクイティー(PE)ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が連合を組むことになり、東電HDも同連合に加わる方向だ。

  複数の関係者が5日、明らかにした。原子力事業を手掛ける東芝に外資が出資するには改正外為法の規制が掛けられるため、日本勢の出資が欠かせない。関係者らによると、JICには他の外資系ファンドからも共同買収の申し出が来ており、JICが中心となり連合を組む動きが進んでいる。

  関係者によると、JICとJIPが手を組んだのは、出資部分の資金を確保するのが狙いだ。東芝は東電HDの福島第一原発の廃炉にも取り組むなど原子力事業で深い関わりを持つ。東電HDの資金拠出を仰ぐことで、東芝が引き続き同事業を重視していく姿勢を内外に示せるほか、国内事業会社の参画で日本勢による東芝支援色を打ち出す効果もある。 

  東電HD株は6日の取引で、一時前日比7.7%安の603円と2021年9月30日(10%)以来、約9カ月ぶりの日中下落率となった。東芝株も一時1.8%安の5353円と続落。

  岩井コスモ証投資調査部の有沢正一部長は、「株価が急上昇していたタイミングで売りの手掛かりにされた」とみている。元々資金のない東電HDにとって、「プラス面は原発の再稼働に弾みがつくということだが、マイナス面は余計なことに手を出している場合かということになる」と指摘した。

  東芝は7月にもJIC・JIP連合の他に1−2陣営を選び、資産査定を実施させる計画だ。JICとJIPの広報担当者はコメントを差し控えた。東電HDの広報担当者は同社としては東芝買収に関する「提案はしていない」とコメント。東芝広報担当の原みどり氏は提案内容や候補先の詳細については公表していない、と述べた。

  東芝を巡ってはJICやJIPのほかにも英CVCキャピタル・パートナーズや米系のベイン・キャピタルなどが買収を検討している。

  東芝は8月10日に第1四半期(4−6月期)決算の発表を予定している。

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