(ブルームバーグ): ウォール街の金融機関の最高経営責任者(CEO)で積極的な発言が目立つ2人は14日、米国には景気後退に耐える準備が十二分にできているとの認識を示した。

  JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOとモルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマンCEOは、向こう数カ月にわたり経済を落ち込ませる世界的事象が重なる状況でも、自行を避難の方向にかじ取りしていない意向を明らかにした。

  ダイモン氏は4−6月(第2四半期)決算発表後の電話会見で「現在、消費者は良好な状態」だと述べ、「リセッション(景気後退)入りしたとしても、消費者は08年や09年よりも借り入れが少なく、はるかに良い状況にある」と指摘した。

  ゴーマン氏は決算発表に関する電話会見で、米国が深刻あるいは非常に厳しいリセッションに陥る可能性は低いと予想。モルガン・スタンレーが大半の事業において「米国ロング」であり、「米国は世界で最高の地域だ」と語った。

  JPモルガンとモルガン・スタンレーの4−6月期業績はいずれも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期の好調から減速した。物価高で世界の中央銀行が金融緩和策の巻き戻しに乗り出している上、ロシアによるウクライナ侵攻と、食糧やエネルギーの安全保障を巡る懸念、各地での政治的不安定さも投資家を神経質にさせている。

  ゴーマン氏は世界経済が直面する課題について、「一言で表現するならば、『複雑』という言葉になる」と発言。「欧州が最も厳しい状況にある」と述べ、ウクライナでの戦争と、域内のガス価格への圧力はドイツなどの国で特に問題になっていると指摘した。

  一方でダイモン氏は、米経済に「ハリケーン」が迫っているとの先の予想は変わっていないとしながらも、米消費者の健全さは雲の切れ間になり得るとの見方も示した。

  ダイモン氏とジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は、リセッション懸念が広がっているものの、米労働市場と個人消費の強さがJPモルガンの将来の成長を暗示していると強調。ガソリンなどの必需品支出が35%増加しても、裁量的支出が引き続き堅調で、クレジットカード・ローンも力強く伸びている点に言及した。

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