(ブルームバーグ): ドルの絶え間ない上昇がアジアの新興国株式市場からの資金流出に拍車をかける恐れがあり、年後半の回復期待を後退させている。

  アジア通貨の指数は約2年ぶりの安値に沈み、為替相場の動向と強い相関を持つ株式に不吉な兆候が見えている。MSCIの日本を除いたアジア株の指数は年初来で20%下落。中国以外のアジア新興国からの外国人投資家による資金引き揚げは、今年はこれまでに710億ドル(約9兆8400億円)と、既に2021年の2倍の流出額だ。

  ドルは米金融当局による積極的利上げの観測を追い風に、このところ外国為替市場で圧倒的な強さを見せている。ドル高はリスク選好度の低下シグナルとなり、アジア株には不吉な兆候である上、ドル建てでの輸入に依存する国が多い新興国の経済成長にはマイナス要因とされる。

  BNPパリバ・アセット・マネジメントのアジア株式責任者、陳志凱氏は「成長ではなくリスク回避ムードがあるため、ドルは上昇している」とし、アジア資産には「良い組み合わせではない」と指摘した。

  韓国や台湾といったアジアのハイテク株の比重が大きい市場は特に打撃を受けやすいようだ。世界的な債券利回り上昇や景気後退の逆風で、バリュエーションや需要見通しが悪化している。韓国と台湾の株価指標は今年のアジア株指数の中で不振が目立っており、外国人投資家による売り越しは計500億ドルに上っている。

 

 

 

Unstoppable Dollar Risks Worsening $71 Billion Asia Stock Exodus(抜粋)

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