(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は21日に0.5ポイントの利上げを実施することをより真剣に検討していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。先月には0.25ポイント利上げの方針を示したが、インフレ悪化の中で再考の可能性が出てきた。

  政策委員会メンバーの過半数は6月9日の会合以降、0.25ポイント利上げのガイダンスを堅持してきた。0.5ポイント利上げとなればガイダンスから乖離(かいり)するが、世界的な大幅利上げの流れに加わることになる。

 

  ECBは今週、10年余りで初の利上げを実施するが、0.5ポイント利上げに十分な支持があるかどうかは不明だと、関係者らは強調した。協議内容は非公開だとして匿名を条件に語った。チーフエコノミストのレーン理事が会合で正式の政策提案を行う。

  ラガルド総裁は6月28日の講演で、0.25ポイントを超える利上げの可能性に含みを持たせた。その後に発表されたデータはユーロ圏インフレ率が予想を上回り、過去最高の8.6%に達したことを示した。これはECB目標である2%の4倍を超える。

  総裁は「漸進主義が適切ではない状況が存在するのは明らかだ」とし、「例えばインフレが加速し、インフレ期待の抑制が脅かされるような場合、もしくは潜在的経済力がより恒久的に失われ、資源利用を制限する兆しが表れる場合には、早急に緩和策を引き揚げる必要があるだろう」と語っていた。

  ブルームバーグが調査したエコノミストの過半数はECBの今週の利上げ幅を0.25ポイントと予想。0.5ポイントを予想したのは53人中4人だけだった。

  短期金融市場は19日の取引でECBの大幅利上げに対する予想を引き上げ、今週の0.5ポイント利上げ確率を約40%とした。9月と合わせた利上げ幅は1ポイント以上に上ると想定している。

  これまでに0.5ポイント利上げに公に言及したのはホルツマン・オーストリア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁らがいる。  

総裁、分断化阻止ツールの今週合意に尽力

  欧州債市場の分断化を阻止する新ツールはまだ完成していないが、ラガルド総裁は今週の会合での合意形成に向け努力を加速させていると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

  非公開の協議内容だとして匿名を条件に語った関係者によると、政策決定を下す21日まで2日間の時点で、この措置の合意成立にはまだ作業が残っている。法的な懸念を解消できずにいるほか、ECBの債券購入で恩恵を受ける国に課す条件などが問題になっているという。条件には健全な財政政策などが含まれる可能性があり、ECBだけが判断することを避けるため欧州委員会か欧州安定化メカニズム(ESM)、またはこの両者の関与を求める政策委員も一部いると、関係者は語った。

  ECB報道官は政策委員会会合前で対外的な発言を禁じられていることを理由にコメントを控えた。

  

Lagarde Redoubles ECB Push on Bond Tool to Reach Deal This Week(抜粋)

(最終3段落に分断化阻止ツールに関する記述を加えます)

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