(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラが20日発表した4−6月(第2四半期)決算では、利益がウォール街の予想を上回った。サプライチェーンの問題に加え、中国工場が新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けた中、生産を軌道に戻す取り組みが前進したことを反映した。

  1株利益は調整後で2.27ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の1.83ドルを上回ったが、1−3月(第1四半期)1株利益の3.22ドルを下回っており、2020年末以来の前期比減益となった。

  テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、「サプライチェーンの地獄」に見舞われてきたが、商品価格は下向きのトレンドが見られると述べ、年後半の生産が過去最大を達成し得るとの楽観的な見方を示した。

  マスク氏はアナリスト向け電話会見で、カリフォルニア州と上海の工場での6月の生産が好調だったことに言及し、「年後半に記録を塗り替える可能性はある」と発言。その上で、業界は部品や素材の十分な供給確保で深刻な課題に直面しているとも述べ、「数年にわたりサプライチェーンの地獄が続いてきた」と語った。

  テスラの株価は決算発表を受けて上昇したものの、その後は伸び悩み、米東部時間午後6時26分(日本時間21日午前7時26分)時点では748.55ドル。

生産見通し据え置き

  米主要自動車メーカーの先陣を切って4−6月期決算を発表したテスラは株主宛ての書簡で、ドイツとテキサス州にある最新工場2カ所での生産増強は、新車のスムーズな投入とサプライチェーンの改善に左右されるとの見通しを示した。

  生産見通しは「向こう数年間で」年率50%の増加に据え置き、失われた生産を年後半に補完できるとの自信を示唆した。ただ、供給や労働力の不足に加え物流の問題もあり、直近の四半期に工場がフル稼働できていないことも明らかにした。

  ループ・ベンチャーズのジーン・マンスター氏は、「利益は芳しくないが、多くの投資家の予想よりもかなり良かった。厳しい環境をうまく乗り越えつつある」と指摘した。

  テスラの先の発表によると、4−6月期の世界の出荷台数は25万4695台と、前年同期比では27%増加したが、過去最高だった前四半期の31万48台を下回った。前四半期比での減少は2年ぶり。マスク氏は4月、今年の生産が150万台を上回るとの見通しを示していた。今年前半の生産台数は約56万4000台。

  4−6月期の売上高は169億ドル(約2兆3400億円)と、市場予想と同水準。規制クレジットの売却収入は3億4400万ドルで、1−3月期の6億6700万ドルから減少した。

  同社は暗号資産(仮想通貨)ビットコインの減損が4−6月期利益を押し下げたことを明らかにし、購入したビットコインの約75%を法定通貨に転換したと説明した。マスク氏は、中国での新型コロナ対策のロックダウンを巡る不確実性の中で流動性を高める手段として売却を行ったと説明。「ビットコインに関する何らかの判断」と受け止めるべきではないと述べ、仮想通貨の保有を将来増やすことにはオープンな姿勢だと付け加えた。

Tesla Beats Profit Estimates, Keeps 50% Output Growth Target (1)(抜粋)

(マスクCEOの発言を追加して更新します)

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