(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は21日に開く政策委員会で、歴史的なインフレ加速に対抗する各国中銀にようやく加わり、11年ぶりの政策金利引き上げに踏み切る方針だ。

  家計と企業、政府の物価高騰への不安がますます高まる状況で、予定していた0.25ポイントの倍の大幅利上げを政策委が協議し、ECBがガイダンスから逸脱することさえあり得る。

  そうした対応が検討されているとの報道を受け、ABNアムロは利上げ幅の予想を0.25ポイントから0.5ポイントに変更した。短期金融市場は五分五分の確率を織り込んでいる。

  利上げの過程でユーロ圏債券市場の不安を抑制する新たな政策手段も21日に同時に公表される予定だ。正当な根拠を欠く国債利回りの暴発を抑止する域内市場の分断化(フラグメンテーション)防止策は、債券購入で恩恵を受ける国に課す条件で政策担当者の折り合いがつかず、きっちりした枠組みはぎりぎりまで確定しない可能性が高い。

ECB、利上げでも市場パニック抑止へ−利回り暴発阻むダブル防衛策

  ECBは6月の政策委終了後、7月に中銀預金金利(現行マイナス0.5%)を0.25ポイント引き上げるという異例の予告を行った。さらにインフレ見通しが改善されない場合には、9月の会合での0.5ポイントの大幅利上げも選択肢になると示唆し、その後の「追加利上げの持続的軌道」にも言及した。

  しかし、事情に詳しい複数の関係者によれば、21日の政策決定発表にかけて政策担当者らは考えを変え、0.5ポイント利上げを今回決定することも検討しているという。実際そうなれば、8年続いたマイナス金利が一気に解消されるが、ブルームバーグが調査したエコノミスト53人は、0.25ポイント利上げの予想が大勢を占め、0.5ポイントは4人にとどまった。

  

  ブルームバーグ・エコノミクスのチーフ欧州エコノミスト、ジェイミー・ラッシュ氏は「ECBの分断化防止策の進展次第で、6月に伝えられた25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)か、政策委が現在検討中の50bpか決まるのではないか。真に信頼に足るフラグメンテーションの解決策は、危機のただ中でのみ現れる可能性が高いとわれわれは引き続き考えており、迫力に欠ける発表とより小幅な利上げをそれは暗示する」と指摘した。

What Bloomberg Economics Says...

“Progress on the ECB’s anti-fragmentation tool could determine whether we get the 25 basis-point hike telegraphed in June or the 50 basis points the Governing Council is now considering. Our view remains that a truly credible solution to fragmentation is only likely to emerge in the midst of a crisis -- that points to an underwhelming announcement and a smaller rate hike.”

--Jamie Rush, Chief Europe Economist 

 

  ECBはフランクフルト時間21日午後2時15分(日本時間同9時15分)に政策決定を発表し、その30分後に総裁が記者会見に臨む。今回から政策決定発表が30分、総裁会見のスタートが15分いつもより遅くなる。  

(エコノミストの見方などを追加して更新します)

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