(ブルームバーグ): プライベート・クレジット大手各社がリスクテークを抑制しつつあり、大型買収向けに提供される資金が細る恐れがある。

  リセッション(景気後退)リスクが高まる中で、ブラックストーンやアポロ・グローバル・マネジメント、アレス・マネジメント、KKR、アンタレス・キャピタル、ゴールドマン・サックス・グループの資産運用部門は、1件当たりの案件に提供する与信の規模を縮小している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、公に話す権限がないことを理由に匿名を条件に語った。

  これら企業はさらに、レバレッジを減らしたファイナンスのパッケージでより高い利回りを要求し、受け入れられている。借り手が破綻した場合に備える投資家保護の強化も確保しているという。

  今年前半には、プライベート・クレジット各社は買収資金のファイナンスの組成で最大50億ドル(約6900億円)を提供することに積極的だったし、70億ドルに上る案件すらあった。関係者1人によれば、これが20億ドル程度に縮小しているという。それでも歴史的基準からすれば、なお大きい額だ。

  直接融資を提供する大手企業が慎重姿勢を強めていることで、今年に入ってから既に急激に鈍化していたレバレッジド・バイアウト(LBO)など借り入れに依存する企業買収の環境はさらに悪化している。

  アンタレスの広報担当キャロル・アン・ウォートン氏は「厳しい市場であることは間違いない。当社はディールごとにそのメリットを評価し続ける」とコメントした。

  ブラックストーンとアポロ、アレス、KKR、ゴールドマン・サックスの担当者はいずれもコメントを控えた。

  リスク選好度はそれぞれ異なるものの、大まかに言えば、これら企業は今年の早い時期には5億ドル程度の与信を保つことに前向きだったが、現在では2億ー3億ドル程度に減らしていると、関係者は指摘した。

  定期的に10億ドル超のファイナンスを提供してきた企業も与信規模を抑えているという。

  米欧の高利回り債やレバレッジドローンの市場が強いストレスにさらされる中で、プライベート・クレジットのファンドは、合併・買収(M&A)活動を後押しする重要なプレーヤーに浮上している。一方、銀行は保有債券や融資の時価評価に伴う損失を計上した後、消極的な姿勢に転じている。

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