(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループによれば、ユーロが今年10%余り下落したものの欧州中央銀行(ECB)は外国為替市場に直接介入しそうにない。一方、日本の通貨当局は円安が続けば為替介入に踏み切る可能性はある。

  ドルは米連邦準備制度の積極的な利上げと安全資産買いを追い風に数十年ぶりの高値付近で推移し、ハンガリーやニュージーランドの通貨を圧倒している。ユーロと円は地歩を保つことに苦戦しており、チリやインドなど一部の国は既に自国通貨の下支えで直接行動を起こしている。

  ゴールドマンの外国為替ストラテジスト、カレン・フィッシュマン氏によると、ECBが短期的にこうした動きに出る確率は低い。ラガルド総裁らECB当局者には、ユーロ相場てこ入れに重点をシフトする前に差し迫った問題がある。そのリストで優先順位が高いのは、持続的なインフレ高進とエネルギー供給不安、政治の混乱が続くイタリアの債券市場の悪化などだ。

  これらの問題は21日のECBによる0.5ポイント利上げ決定と、ユーロ圏の分断化阻止を目指した新たな債券市場ツールの詳細発表の根拠となったと考えられる。

  フィッシュマン氏は21日付のリポートで、「分断化のリスクやイタリアの政治的不確実性の高まりは結局、当初のユーロの上昇圧力に勝る格好となり、ユーロが現在直面する一連の複雑な課題を浮き彫りにした」と分析。為替介入は確かに「ツール」としてあるが、ECBが使う可能性は「低い」との見方を示した。

  一方、円は今年これまでに対ドルで16%余り下落し、今月には1998年以来の安値を更新している。日本銀行の黒田東彦総裁は21日、一段の円安を意味するとしても超低金利政策を堅持する決意を強調した。

  それでも、日銀が円安の中でいつまで政策を堅持できるかは依然として未解決の問題だ。フィッシュマン氏は、主要中銀による介入がここ数十年はまれで、実際にあっても複数の金融当局による協調介入となるのが典型的だと指摘。ドル・円相場が一段と上昇する場合には、日本の当局が何らかの行動を取る確率は高まるだろうと予想した。

Goldman Doubts Intervention on Euro, But Action on Yen Possible(抜粋)

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