(ブルームバーグ): バイデン米政権は今週発表予定の4−6月(第2四半期)国内総生産(GDP)統計で、米経済の2四半期連続マイナス成長が示される可能性を重大視していない。

  「テクニカル・リセッション」と呼ばれることの多いこうした状況は、必ずしも本物のリセッション(景気後退)とは言えないというのが政権側のメッセージだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気回復の促進でバイデン政権の政策がどれほど効果的かを巡り、共和党との政治的主張の闘いに勝つことが重要になっている。

  イエレン財務長官を含むバイデン大統領の側近らは28日の統計発表に備えてここ数日、各地で発言。リセッションの正式な定義は複雑で、単なる2四半期連続マイナス成長よりも深いものだと説明している。

  バイデン大統領は25日、長引く半導体不足問題を企業経営者らと議論するオンラインイベント後に記者団に対し、「私の見解では、米経済はリセッション入りしないだろう」とコメント。「私が望むのは、この急速な成長から安定した成長にシフトすることだ」と述べ、米失業率が3.6%の歴史的低水準にある点に言及した。

  ディース米国家経済会議(NEC)委員長は25日、米経済で4−6月期に雇用が100万人余り増えたと述べ、雇用を失わなかった米経済がリセッションに陥ったことはないと指摘した。

  エコノミスト予想中央値では、4−6月期GDPは前期比年率0.4%増と見込まれている。1−3月(第1四半期)GDPは前期比年率1.6%減。ただ、ブルームバーグが調査したエコノミスト63人中20人は現在4−6月期GDPの減少を予想しており、リセッションの議論に拍車を掛けている。

  モルガン・スタンレーのエコノミストらは22日付のリポートで、「今四半期の成長率は非常に低調で、22年第2四半期にマイナス成長になり、22年1−6月(上期)にテクニカル・リセッションに陥るリスクが高まっている」と指摘した。

  一方、バイデン政権はリセッションと正式に見なされる状況と、一般に「テクニカル・リセッション」と言及される状況の違いを強調。会話の中では2四半期連続のマイナス成長を指すことが多いが、米国での正式な定義は全米経済研究所(NBER)によるもので、「経済全体に波及し、数カ月以上続く経済活動の著しい低下」とされている。

  ディース委員長は、エコノミストや投資家などに広く使われるテクニカル・リセッションという用語について、2四半期連続のマイナス成長という特徴付けに反論。リセッションの「定義は厳密には、NBERの定義だ」と強調した。

  イエレン財務長官も24日、労働市場の状況からみてNBERが現状をリセッションと呼べば驚きだと発言。「1カ月当たり40万人近くの雇用を創出している状況はリセッションではない」と語った。

 

Biden Team’s Take on ‘Technical Recession’: It’s Not Real (2)(抜粋)

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