(ブルームバーグ): 政府は27日、脱炭素戦略を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合を首相官邸で開いた。岸田文雄首相は席上、「中長期の脱炭素という課題を成長エンジンへと転換し、持続可能な経済をつくっていきたい」と述べた。

  会議には、GX実行推進担当相を兼務する萩生田光一経済産業相や山口壮環境相など関係閣僚のほか、経団連の十倉雅和会長や東京大学の伊藤元重名誉教授ら13人の民間有識者が出席した。

  政府は2050年のカーボンニュートラル目標を掲げており、脱炭素戦略の推進は喫緊の課題だ。岸田首相は、ロシアによるウクライナ侵攻に関連したエネルギー市場の混乱や価格高騰といった足元の危機を克服しつつ、中長期的にGXを進めることが不可欠だと強調した。

  脱炭素を巡っては、今後10年間で官民合わせて150兆円の投資が必要との政府試算があり、政府は資金調達のためGX経済移行債の発行を検討している。会議ではGX債に加え、ESG(環境・社会・企業統治)資金を呼び込むための金融手法などの重点政策が示された。

  経済産業省の担当者が会議後に明らかにしたところによると、ある出席者からは、カーボンニュートラルは企業にとってコストアップにつながる側面があるため、政府は規制と支援を一体的に進めていくことが重要だとの指摘が出た。また、初会合ではGX債の制度設計に関する具体的な議論はなかったという。

  次回の会合では、電力・ガスの安定供給に向け、再生可能エネルギーを最大限導入していくための方法や、原発の再稼働についての具体的な方策について議論を進める。

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