(ブルームバーグ): 中国共産党は中央政治局会議を今週開き、今年前半の自国経済を振り返るとともに、年後半の優先項目を設定する見通しだ。「5.5%前後」とした今年の経済成長率目標を再検討する機会にもなりそうだ。

  今年春の新型コロナウイルス感染拡大やロックダウン(都市封鎖)で中国経済は失速しており、今回の中央政治局会議は党指導部にとって戦略や見通しを調整する機会となるため非常に重要だ。

  中央政治局会議の注目点は以下の通り。

成長率目標

  中国が5.5%前後とした今年の成長目標を修正するのか、あるいは達成に向けた重要度を下げるかに市場関係者の関心が集まる。今年の成長率は5.5%前後の水準を大きく下回るとエコノミストらは見込んでいる。

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  中国が成長率目標自体を変更するのではなく、目標を巡るレトリックを微調整する、または達成に向けた重要性を下げる可能性がある。余向栄氏らシティグループのエコノミストはリポートで、表向きの成長率ではなく、雇用重視へとかじを切ることが1つの選択肢になると指摘する。

  李克強首相は先日、雇用や物価が安定している限り、政府目標に関して柔軟に対応できるとの考えを示唆。同目標に関する表現をトーンダウンさせているのは李首相だけではない。

  習近平国家主席は先月、コロナ感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を堅持する方針を示すとともに、「一時的に経済発展に多少の影響があったとしても」人民の生命や健康を損ねるようなことがあってはならないと述べた。

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  シティのエコノミストらは別の方策として、5.5%前後という目標は動かさず、これを通年ではなく今年下期に達成することにする手もあると話す。今年上期の成長率は2.5%にとどまっており、現行目標に近づけるには年後半は7%を超える成長が必要になると推計するエコノミストもいる。

不動産支援

  国内の不動産市場を巡っては、住宅ローン返済拒否の広がりが住宅販売の足をさらに引っ張り、銀行や建設業者にも影響が波及する恐れも出ているため、中央政治局にとって約1年にわたる不動産市場の低迷も重要議題になる公算が大きい。

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  政治局は「住宅は住むためのもので、投機の対象ではない」との認識をあらためて表明する可能性が高い。

  ナットウエスト・グループの中国担当チーフエコノミスト、劉培乾氏はこうした文言が声明にとどまるかどうか、市場は注視するだろうと分析。わずかな表現の変更であっても、年内の政策に関して今後の大きな進展を巡る手掛かりが得られる可能性もあると語る。

ゼロコロナ政策

  中国のゼロコロナ政策は当面継続となる見通しだが、経済への影響を最小限に抑えるため、政府が同政策をどのように最適化する方針なのか明らかにする可能性がある。最終的な出口戦略に向けた地ならしを含め、ゼロコロナで用いられる表現に調整が加えられば、それは大きな意味を持つ。

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