(ブルームバーグ): 8月1週(1ー5日)の日本株は小幅に上昇する見込み。米金融政策に対する不透明感が和らぐ中、投資家は業績を基準に割安感に着目しやすい。企業決算の開示が進む中で、見直し買いが先行しそうだ。ただ、米景気の減速懸念や為替の円高進行は相場の重しとなる。

  7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)とその後の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見を経て、市場では米金融政策の一方的なタカ派姿勢にやや変化の兆しが見えたとの期待が出ている。

  米長期金利は一時2.7%を下回り、株式市場のバリュエーション上昇や業績評価を後押ししやすい環境にある。決算ではアップルやアマゾンなど、巨大テクノロジー企業の業績が市場予想を上回るケースが相次いでいる。

  米国で経済指標の悪化が大幅な利上げ観測の後退につながった一方、悪化がひどくなれば投資家が慎重な姿勢を強めやすい。米供給管理協会(ISM)は7月の景況指数を発表する予定。1日の製造業指数、3日の非製造指数ともに市場予想は前月に比べ低下する見込みだ。

  米経済に慎重な見方が強まっている中で、外国為替市場はドル売り円買いの勢いが増している。一段とドル安・円高が進むようなら、日本の輸出企業の円安メリット期待が後退する可能性がある。7月4週のTOPIXは週間で0.8%安と4週ぶりに反落した。

  主要な国内企業の決算をみると、2日に三菱UFJフィナンシャル・グループ、3日に任天堂や野村ホールディングス、4日はトヨタ自動車が発表する予定だ。

  岡三証券によると、7月28日までに発表を終えたTOPIX採用企業(2月、3月決算)は第1四半期の営業利益が前年同期比7.4%増。利益サプライズはポジティブが78社、ネガティブが58社とポジティブ企業がやや優勢となっている。

《市場関係者の見方》

損保アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネージャー

  戻りを試すだろう。米金利の上昇に伴う株安からの揺り戻しの局面にある。米金融政策のタカ派懸念がある中で株式市場は悪いところに目が行きがちだったものの足元では変わってきた。ただ米金利は低下余地が従来より縮小し、金利が次第に下げ渋り始めれば株式相場の上値は重くなるだろう。国内企業決算にも不安が残る。これまでの発表を見ても先行きが不透明なマクロ環境を反映している印象だ。

楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長

  弱含む見込み。世界景気が鈍化する懸念が強く、外国為替の円高基調を踏まえると日本株の上昇は描きにくい情勢だ。これから自動車や産業エレクトロニクス企業などの決算発表が本格化するが、開示済みの企業業績をみると円安の恩恵をそれほど受けていない印象だ。中国のロックダウンや物流の混乱、半導体不足などの悪材料が響き業績が思ったほど良くなく、相場の重しになりそうだ。

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