(ブルームバーグ): 米株式市場は「悪いニュースは実際には良いニュース」というシナリオに直面している。

  28日発表の米国内総生産(GDP)は1−3月(第1四半期)に続き、4−6月(第2四半期)も減少した。2四半期連続のマイナス成長は「テクニカル・リセッション(景気後退)」と呼ばれることが多い。

米経済、2四半期連続の縮小−4〜6月GDP速報値は0.9%減 

  ただ、同日の米国株は上昇し、S&P500種株価指数は1.2%高、ナスダック100指数は0.9%高となった。なぜだろうか。

  その答えは、米連邦準備制度が金利の面で今後どう対応するかにかかっている。悲惨だった今年上期を受け、株式トレーダーは米国のリセッションをほぼ織り込み済みだ。そのため、GDP統計は驚きではなく、米金融当局が最終的に利上げペースを落とす可能性についてさらなる手掛かりを与える形となった。

  リセッション局面以外では15−20%の相場調整が一般的であり、今年はS&P500種のピークから底までの23.4%下落や逆イールド(長短金利逆転)によって、景気後退が差し迫っていることがほぼ確実になっていると、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の株式ストラテジスト、ジーナ・マーティン・アダムス氏とマイケル・キャスパー氏が指摘した。

  S&P500種は1929年以降、平均してリセッション開始から9.4カ月後、リセッション終了の4.3カ月前に底入れしている。そのため、アダムス、キャスパー両氏によれば、景気後退が既に始まっている場合、2022年11月までに終わる公算が大きい。

  BIの公正価値モデルは、今年の株式相場急落後、緩やかなリセッションが織り込まれた可能性を示唆している。これは22年下期に企業利益が底入れするとともに、株価が回復し得ることを意味する。

  リセッションは通常、経済活動の広範な落ち込みが数カ月以上続くことを意味する。それでも、投資家は全米経済研究所(NBER)が米国のリセッション入りを宣言するのを待つべきではないと、CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は指摘。NBERが宣言に至るまで平均でほぼ7カ月要するためだと説明した。

  同氏は「第2次世界大戦以降、弱気相場は平均14カ月続いている」とした上で、 「NBERがリセッション入りを宣言するころには、投資家はより割安な価格で株を買うチャンスを既に逃している可能性がある。相場はリセッション終了の5カ月前に底入れする傾向にあるためだ」と分析した。

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