(ブルームバーグ): 米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が年内にテスラ株を追加売却すると、投資家は予想している。最新の「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」週間調査で明らかになった。

  調査にはポートフォリオマネジャーやリテール投資家を含む1562人が回答。このうち約75%は、最終的にマスク氏がツイッターを所有することはないと予想した。同氏はツイッター買収合意の発表後に計85億ドル相当のテスラ株を売却したことを4月に開示していた。

  回答者の約3分の1は、マスク氏が総額440億ドル(1株当たり54.20ドル)でのツイッター買収をやり遂げず、10億ドル余りを支払って同社と和解することを選択すると予想した。買収合意を一方的に破棄したマスク氏に対し、判事が10億ドルの違約金支払いを命じると、回答者の27%は考えている。

  ツイッターとの取引の行方にかかわらず、マスク氏はテスラ株を売却する公算が大きいと、トゥルーマーク・インベストメンツのマイク・ルーカスCEOは予想。回答者の68%もこうした意見だ。

  これはテスラ株がさらなる圧力にさらされ得ることを示唆する。年初からの下げ率は約16%と、S&P500種株価指数の13.3%を上回っている。テスラはサプライチェーン問題や中国での新型コロナウイルス禍に関連するロックダウン、マスク氏のツイッター買収計画を巡る混乱に揺れた。

  マスク氏(51)は世界一の富豪で、2600億ドルに上る資産の大半はテスラ株が占める。ただ、最近では保有株の売却を進めている。昨年11月には保有株10%を売るべきかどうかの賛否を自らツイッターで問い、その後数カ月で1500万株余りを売却した。

マスク氏、テスラ株1170億円相当を追加売却−持ち分10%縮小に向け

  マスク氏はツイッター買収計画の発表後、4月にテスラ株を約940万株売却した。半年間での売却額は250億ドルに上った。買収合意を破棄したマスク氏を相手取ってツイッターが提起した訴訟の審理は10月に始まる予定。

  裁判の結果にかかわらず、テスラ株主はこの件の決着を歓迎するだろうと投資家は予想している。

  インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「マスク氏の株売却が、ツイッターを巡る混乱に終止符を打つ最終的な合意を伴うものとなれば、テスラ株は上昇する可能性がある」と指摘。「ツイッター問題の決着は雑念を取り除き、理論的にはマスク氏がテスラにより集中することを可能にする」と述べた。

  ただ、S&P500種を構成する他の超大型株4銘柄と比較したテスラの上値余地について、回答者はあまり楽観していないことが示された。約4分の1は、マイクロソフトあるいはアマゾン・ドット・コムが最も値上がり余力があると回答。アルファベットは21%、アップルは18%と続いた。これに対しテスラは12.5%にとどまった。

  世界の自動車メーカーの多くが独自のEV開発に取り組んでおり、競争激化による脅威は強まっている。また、米経済が2四半期連続でマイナス成長になるなどマクロ経済の環境も厳しくなっている。

  マスク氏は昨年、テスラ株の大幅上昇でブルームバーグ・ビリオネア指数で首位となったが、これは短命に終わる可能性がある。回答者の50%強は、同氏が2023年末までに世界一の富豪の地位を失うと予想した。25年以降まで維持するとの回答は33%弱だった。

Musk May Keep Selling Tesla, With or Without Twitter: MLIV Pulse(抜粋)

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