(ブルームバーグ): エコノミストのオリビエ・ブランシャール氏とサマーズ元米財務長官は、米労働市場にとってソフトランディング(軟着陸)は可能性の高いシナリオだとしたウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事のリポートについて、「誤解を招く結論や過ち、事実誤認」が含まれると批判した。

  ウォラー氏とFRBの調査・統計担当アソシエートディレクター、アンドルー・フィグラ氏は7月29日に発表したリポートで、サマーズ、ブランシャール両氏とアレックス・ドマシュ氏が共同執筆した論文のアプローチを批判。サマーズ氏ら3氏は米金融当局が「痛みを伴う」失業率上昇をもたらすことなく目標を達成する可能性は低いと論じていた。

 

  ブランシャール、ドマシュ、サマーズ3氏はピーターソン国際経済学研究所のウェブサイトに1日発表した反論で、FRB高官が景気のソフトランディング見通しを維持したいのは理解できると指摘。

  その上で、「ソフトランディングの根拠としている考えには、まったく説得力がない。この考えは最近ではパウエルFRB議長が先月の記者会見で推しており、欠員が著しく減少する際には失業率を急伸させずにインフレ圧力を取り除くことが可能だというものだ」と説明した。「データが裏付けるのはむしろ、失業が大きく増加しない限りは欠員が正常化する可能性は非常に低いというわれわれの結論だ」と述べた。

  FRBの報道官は現時点でコメントすべきことはないと述べた。

  ウォラー氏らは求人と失業率との関係を示すベバリッジ曲線を活用することで、求人率の7%から4.6%への低下は失業率の約1ポイントあるいはそれ未満の上昇につながるとしていた。

ウォラーFRB理事、米労働市場の軟着陸は可能性高いシナリオ (1)

 

(第3段落以降を追加し、更新します)

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