(ブルームバーグ): 米連邦準備制度の金融政策について、債券トレーダーの長期的な見通しは当局の見解と異なるようだ。これは債券市場の混乱が続くことを示唆する。

  短期の米国債利回りはここ数週間、当局が最終的にどこまで利上げをするか、景気が落ち込めば利下げに転じるのかについてのトレーダーの見方によって急低下したり急上昇したりしてきた。

  最後には短期の利回りが上昇し、市場が織り込む今年の利上げ幅は当局の考えとほぼ一致した。しかし2023年については当局と市場の見方は依然異なっている。向こう1週間のインフレ統計や入札で、市場と当局のどちらかが再考を迫られるかもしれない。

  チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「市場は当局が今年積極的に行動することでインフレが十分に低下し、方向転換が可能になると考えている。しかし当局は引き締めの過程で緩和について話したくはないため、この考えを退けている。難しいコミュニケーションの問題を抱えている」と話した。

  もちろん、どの見解が優勢になるかはまだ分からないが、当局がインフレと成長、金融環境を巡り高まるリスクのバランスを取る中でコミュニケーションがますます難しくなっていることは確かだ。

  5日までの週には当局者らがタカ派的なメッセージを浸透させることに成功したほか雇用統計を中心とした強い経済指標で短期的な大幅利上げの観測が市場に定着したようだ。

  しかしその前の週には市場が米連邦公開市場委員会(FOMC)決定後のパウエル議長の発言をハト派的に解釈した。政策はデータに依存するとする当局の姿勢を景気が悪化すれば利上げを停止する用意があると受け取る市場参加者も多い。

  アバディーンの投資ディレクター、ジェームズ・アシー氏は「米連邦準備制度が姿勢転換したわけではなく、転換への扉を開き幅広い経済データを考慮することにしたということだ。従って、非常にネガティブな成長見通しを持ち年末までのインフレ低下を予想する投資家にとって、方向転換は不可避と見込んだポジションを取り始めることは合理的だ」と話した。

  しかし、これにより緩やかな金融環境が広がるリスクがあると指摘。これは「現在必要とされているものとは正反対」であり、その結果、最終的に必要な引き締め幅が大きくなり市場と実際の政策軌道の差がさらに大きくなる可能性があるとも分析した。

 

 

Bond Traders on Collision Course With Fed Over Longer-Term View(抜粋)

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