(ブルームバーグ): 米連邦捜査局(FBI)がフロリダ州にあるトランプ前大統領の自宅を家宅捜索してから1日たったが、共和党が前大統領から距離を置こうとする兆しはほとんど見られない。

  共和党全国委員会(RNC)から2024年大統領選の同党候補の指名争いでライバルとなり得るフロリダ州のデサンティス知事に至るまで、司法省による調査は政治的な動機に基づいているとするトランプ氏の主張に同調し、同氏を政治的な殉教者と描いている。

  こうした支持表明はトランプ氏の共和党に対する影響力の強さをあらためて裏付けている。トランプ氏の最も熱心な支持者を対象とした最近の調査は、24年大統領選の共和党候補を選ぶ予備選で想定される候補者の中で同氏がなお首位にあることを示した。トランプ氏は再び出馬する可能性をたびたびほのめかしている。

トランプ氏宅の捜索、ホワイトハウスから持ち出した文書が焦点

  焦点となるのは、調査のタイミングと、それが11月の議会中間選挙にどの程度の影響を与えるかだ。中間選挙まで100日を切り、共和党が議会多数派の地位を奪還するにはトランプ氏の支持層を必要としている。

  メーソン−ディクソン・ポーリング・アンド・ストラテジーのブラッド・コーカー氏は「もろ刃の剣だ。今回の捜索から実質のあるものが出るかどうかにかかっている」と指摘。「大統領経験者の家を捜索して結局何も出なかったという結果になれば、かなり悪い印象を残すことになる」と述べた。

  FBIによる捜索が行われる前は、複数の州での世論調査でトランプ氏の人気低下が示されていたと、コーカー氏は指摘した。21年1月6日にトランプ氏支持者らが起こした議会襲撃事件について調べている下院特別委員会の調査で、権力を維持しようと躍起になっていたトランプ氏の当時の不安定な言動が明らかになっていた。

トランプ氏の行動を米司法省が捜査、議会襲撃事件で−関係者

  実際、トランプ氏は連邦当局や州当局の幾つかの調査の対象となっている。米国立公文書館は2月、トランプ氏が所有する会員制高級リゾート「マールアラーゴ」の自宅から15箱相当の書類を回収したことを確認にしていた。

  USAトゥデー紙がその直後に実施した世論調査によると、有権者の56%は「さらなる調査を正当化する深刻な統治の問題」だと思うと回答。「主に党派の争いに基づくもので、さらなる調査は正当化されない」との見方に同意したのは31%にとどまった。

  ただ、トランプ氏による公的文書の取り扱いについて懸念していると回答したのは民主党支持者が88%だったのに対し、共和党支持者は27%にとどまるなど、党派の違いがはっきりする結果となった。

GOP Casts Trump as Victim, Attacks FBI in Midterm Rallying Cry(抜粋)

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