(ブルームバーグ): 日本の投資家は先週、海外債券の購入を増やした。為替ヘッジ付きの米国債利回りがマイナスになっているにもかかわらずだ。

  財務省のデータによれば、5日までの週は8270億円の買い越しだった。買い越しは3週連続で1月以降で最大。アナリストらによれば、買い手の中心はヘッジに敏感な生命保険会社でなく銀行だった可能性があり、他の誘因として安値拾いとドル相場下落にアナリストは言及した。

国内投資家の対外中長期債投資は8270億円の買い越し-前週

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、7月の第3週から米当局の「利上げの天井が意識されたことで債券価格の下落リスクが緩和されて買い越しになり、さらに先週はドル安と債券価格の下落という時期だったので、押し目買い的な買いが入りやすかった」と振り返った。

  ただ、外債投資については「ヘッジコストが高く、本格的な買い場が到来したという感じではないが、若干投資スタンスが前向きになった」と分析した。

  

  米連邦準備制度の当局者らが2023年に利下げに転じる可能性があるとの観測に抵抗したことで、米10年国債利回りは12日に2.87%前後と2日時点の2.51%から上昇。しかし、ブルームバーグの集計データによれば、ドル・円のヘッジコスト(12カ月)は3.8%と07年以降で最も高く、これを加味すると米10年債利回りはマイナス0.90%となる。

  今週に公表されたデータによれば、日本の生保と年金基金は7月の外債の売り越しが記録的な額となった。日本の投資家の外債投資は米国債が中心だ。

  大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「ドルが下がっていたので一般的にオープン(ヘッジなしの)外債投資が増えたのかもしれない。銀行などの金融機関が金利上昇で外債投資を再開した可能性がある」と説明。「投資主体別の月次動向を見ないと、日本人の投資行動が変わっているかどうかは分かりづらい」という。

  上野氏は、外債投資が本格的に復活するには、ヘッジコストが下がる必要があるとした上で、「米利下げが織り込まれて米短期金利が下がらないと厳しい。長期金利がどんどん上がる局面は終わった」と指摘。「当面は一進一退。金利が上昇したりドル安が進んだりしたところでは割安感から買いが入るが、それが揺り戻す時には逆の動きが発生する」との見方を示した。

Loss-Making Treasuries Still Have Fans in Japan as Buying Rises(抜粋)

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