(ブルームバーグ): 総務省が19日に発表する7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前月から伸びが加速し、日本銀行が目標水準に掲げる2%を大きく上回ると予想されている。日銀は物価上昇を上回る賃上げの実現を重視しており、現在の金融緩和策を継続する姿勢に直ちに変化はない見通しだ。

  ブルームバーグの調査によると、7月コアCPIのエコノミスト予想(中央値)は前年比2.4%上昇と、6月の同2.2%上昇からプラス幅を拡大し、4カ月連続で2%超えとなる見込み。予想通りになれば、消費税率引き上げの影響が出た時期を除けば、2008年8月以来、14年ぶりの高水準となる。

  原材料費の高騰が続く中、円安の影響もあって食品を中心にコスト上昇を価格に転嫁する動きが継続している。今月に入り、SMBC日興証券が今年末のコアCPIが一時的に3%程度、エネルギーも除いたコアコアCPIが2%程度の上昇に達するとの予想を示すなど、物価見通しを引き上げるエコノミストが増えている。

  日銀は現在の物価上昇は持続性に乏しいとみており、7月21日公表の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で物価見通しを上方修正する一方、現行の緩和策を継続する方針を表明した。雨宮正佳副総裁は7月28日の講演で、「現段階では2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現する姿を見通せるには至っていない」とし、目標達成には物価上昇率を上回る賃上げの実現が不可欠との見解を示した。

  伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、加速する物価高が金融政策にすぐに影響を及ぼすわけではないとしながらも、労働需給のひっ迫が賃金と物価の上昇につながる「通常の価格上昇の動きが広がっていく入り口に立っている」と指摘。10月の新たな展望リポートで、日銀が物価の基調として重視するコアコアCPIの見通しが引き上げられれば、政策修正のサインになり得るとみている。

7月展望リポートにおける物価見通し

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