(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループと野村ホールディングスは、中国の2022年の国内総生産(GDP)成長率予想をさらに引き下げた。電力供給不足もあり、中国経済の先行き不透明感は強まっている。

  ゴールドマンは予想を下回る7月の経済指標や当面のエネルギー制約を踏まえ、今年のGDP成長率見通しを3%に下方修正した。従来は3.3%だった。野村は通年の成長率予想を3.3%から2.8%に引き下げた。

中国が予想外の利下げ−7月指標は「非常に気掛かり」との指摘も

  閃輝氏率いるゴールドマンのエコノミストチームは17日の顧客向けリポートで、7月の統計や抑制されたインフレ、与信の伸び悩みが「内需不足」を裏付けたと指摘。新型コロナウイルス感染が拡大しているほか、猛暑で電力供給も圧迫され、新たな大型刺激策が講じられる公算も小さいと分析した。

  また、野村のエコノミストらはコロナ感染状況が最近悪化しているほか、ロックダウン(都市封鎖)の拡大で8月の活動データは前月をさらに下回る恐れがあると想定。現在の猛暑も景気に打撃となる可能性があるとした。

 

  野村の陸挺氏らは18日のリポートで、「中国当局は景気減速を食い止めるため追加策を講じるだろうが、政府の顔ぶれが変わる年に包括的な刺激策に踏み切る可能性は低く、ゼロコロナ政策を維持する必要性から従来の刺激策の効果もかなり落ちる」と分析した。

  中国政府は今年のGDP成長率目標を5.5%前後に設定したが、これは達成できないとの見方が数カ月前から広がっていた。ブルームバーグ調査の予想中央値は3.8%となっている。

インフラ投資さらに強化か

  インフラ投資の拡大が中心となっている中国の財政刺激策を巡り、地方政府が追加財源を得る可能性もある。

  中国証券報は18日の1面で、インフラ整備目的で発行されることが多い地方政府の専項債(特別債)について、過年度で未使用だった残りの発行枠1兆5500億元(約31兆円)の一部も活用され得ると報道。また、上海証券報は粤開証券の羅志恒チーフエコノミストを引用して、来年分の専項債の前倒し発行で、さらにてこ入れを図る公算が大きいと伝えた。

 

 

(第7段落以降を追加し更新します)

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