(ブルームバーグ): 日本銀行の布野幸利審議委員は、金融緩和の継続により金融仲介機能が停滞するリスクもあるとの見方を示した。

  布野委員は7日、高知市内で講演し、「強力な金融緩和を続けていけば、利ざやの縮小などを通じて金融機関の経営体力に累積的に影響を及ぼし、金融仲介機能が停滞するリスクもある」と指摘した。今後も金融政策運営の観点から「重視すべきリスクについてしっかりと見ていく」とした上で、2%の物価目標実現に向け「経済・物価・金融情勢を踏まえて適切な金融政策運営を行っていく」と語った。

  一方で、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」というフォワードガイダンス(政策金利の指針)を踏まえて、「物価動向と合わせて考えると、当分の間、強力な金融緩和を緩めることはない」とも述べた。

  日銀は10月31日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、低金利環境の下で金融機関収益の下押しが長期化すると、「金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがある」と指摘。13年4月の異次元緩和開始以降初めて「先行きの動向には注視していく必要がある」と明記した。

  この後行った会見では、緩和が長引けば金融機関の収益に負の影響が累積的にかかるとした上で、副作用を含め金融情勢をよく見極め、「その都度、政策を決める」と述べた。一般論と断った上で、イールドカーブ(利回り曲線)が立って長短金利差が広がれば、「利ざやの拡大を通じて金融機関にプラスの影響がある」との見方も示した。

  米中の貿易摩擦の影響については、米経済に対する下押し圧力は「比較的少ない」とする一方で、中国経済には「懸念があり、不透明感がなかなか晴れない」と指摘。日本経済に対しても、「中国経済への下押し圧力を起点にして、設備投資や企業マインドに影響が出てくる可能性を秘めている」と警戒感を示した。

(5、6段落に会見での発言を追加して更新します.)

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