(ブルームバーグ): 日本銀行の黒田東彦総裁は、マイナス金利を撤廃した方が景気や物価に好影響を与え得るという内容の論文が日銀傘下の金融研究所から今月5日に公表されたことについて、「日銀の公式見解ではない」とした上で、マイナス金利は「大幅な金融緩和の一環として必要」との考えを示した。20日の衆院財務金融委員会で述べた。

  論文は、昨年10月から1年間、金融研究所の客員研究員を務めた小枝淳子早稲田大学准教授が英語で執筆した「量的・質的緩和のマクロ経済の影響」。マイナス金利を撤廃した方が景気や物価に好影響を与え得るほか、政策金利の引き上げの条件を2%ではなく1%にした方が物価上昇に好影響に与えるとの見方を示した。

  黒田総裁は同論文について「日銀の政策についてさまざな議論があり、分析が行われること自体は歓迎すべきことだ。この分析もその一つである」と説明。その上で、2013年の量的・質的金融緩和の導入以降、景気は大幅に改善し、物価も持続的に下落するという意味でのデフレでなくなり、金融政策は「経済、物価を大きく改善させる効果があった」と述べた。

  今後とも物価目標の実現に向けて「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが適当」と述べるとともに、マイナス金利についても「現時点ではやはり大幅な金融緩和の一環として必要なものであると考えている」と語った。

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