(ブルームバーグ): ドイツの次期首相候補であるショルツ財務相は、連立政権樹立に向けて重要な節目に達した。今後、連立相手候補との正式協議に移る。

  ショルツ氏の社会民主党(SPD)と緑の党および自由民主党(FDP)は15日の4時間弱の協議後、政権の基本政策について合意した。協議開始から1週間での合意は異例の速さとなる。

  合意には、従来計画より8年早い2030年に脱石炭を達成することを含めた気候変動対応の行動計画が含まれる。また、SPDと緑の党は、憲法上の債務制限を維持するとともに新税を導入しないという企業寄りのFDPからの要求を受け入れた。詳細は今後数週間の正式協議の中で詰められる。

  この3党には意見の相違も多いが、最も実現可能性の高い連立の組み合わせだ。政府支出や税、気候変動対策、社会政策などでの大きな隔たりを埋めることが求められていた。

  対立の可能性はまだあるものの、正式協議入りは政権移行プロセスの重要な節目。協議開始は各党が十分な共通の土台があると認めたことを意味し、ショルツ氏が率いる新政権が年内に発足する可能性が高まる。

  9月の選挙でSPDは、メルケル首相が所属するキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を僅差で抑え第一党となった。その後、ショルツ氏は緑の党およびFDPとの合意に向けて迅速に動いた。連邦政府レベルでは前例のない組み合わせとなる。

  財政規律を説くFDPと、インフラや環境保護、デジタル技術推進のための支出を目指すSPDおよび緑の党との間で隔たりは大きかった。正式な連立交渉は政策チームによるさらに包括的な協議となる。まだ克服されていないハードルの中でも財政は特に厄介な問題だ。

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