昨今さまざまな切り口で展開される動物図鑑。当連載でも、や、などユニークな動物図鑑を紹介してきました。

 ある意味、レッドオーシャンともいえる動物図鑑から、今回注目したいのが「オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑」です。本書では、オスとメスの“違いが面白い”動物を哺乳類、爬虫類、鳥類、節足動物、魚類・両生類に分類して紹介。見た目の違いを探ると、オスとメスの役割の違いや、違いが生まれた進化の背景が見えてくるといいます。

 例えば、サルの仲間であるマンドリル。オスは青と赤が色鮮やかな顔とお尻をもつ一方、メスは地味な色合いです。

「オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑」(かんき出版、著:丸山貴史、イラスト:しょうのまき)より

 恐竜が主役の中生代、哺乳類は夜行性だったことから、そのほとんどは色覚が進化しなかったものの、ヒトを含む霊長類は森の中で赤や黄色の果実を見つけやすいように色覚が進化し、見分けられる色が増えたんだとか。そんな進化の過程で、“色”でアピールする霊長類が出てきたのだといいます。
マンドリルは昼でも薄暗い熱帯雨林に生息し、オスをリーダーに群れで行動するとのこと。仲間が群れからはぐれないように目印として、オスは前から見ても後ろから見ても派手な色になったと考えられているんだそうです。特に鮮やかな色を持つオスであればあるほどメスへのアピールにもなり、リーダーとして群れを統率することができるといいます。

 一見すると「なぜ?」というオス・メスの違いにも、生きるために有利な理由があるもの。そんな視点で動物を見てみると、これまでと違った世界が見えてきそうです。