ストーリー

 主人公の「ボク」には、かわいくって、愛おしい弟がいる。でも、弟は他の子たちとはちょっと違っている。かけっこをすれば転んでばかり、おしゃべりはつっかえるし、文字だってグニャグニャ。そんな弟を見て、まわりのみんなはコソコソ言っている。弟のことは大好きだけれど、恥ずかしい気持ちになってしまう「ボク」。そして、「こんな風に思ってしまう自分はダメな子?」と、自分を責める日々。ある日、同級生からいじめられていた弟を助けると、弟は「ボク」に悲しそうにつぶやく。「おにいちゃん、みんなとおなじくできないよ」。その言葉をきっかけに「ボク」の心は徐々に変わりはじめる……。

きみはひとりぼっちじゃないよ

 この絵本のストーリーは、著者である湯浅さんの幼少期の実体験に基づいています。小学生だった当時、みんなと同じようにふるまえない弟がかわいそうで「代わってやりたい」と思う一方、恥ずかしくも感じていたそうです。そんな気持ちを抱いてしまう自分はおかしいのではないかと自身を責めたこともあったといいます。それでも、一緒の時間を長く過ごす中で弟からたくさんのことを教わり、「結局自分は弟が大好きなんだ」と素直に思えるようになったと湯浅さんはつづっています。

 「きょうだい児」が抱える悩みや不安、孤独な気持ちをありのままに描くことで、自身と同じ「きょうだい児」に、「きみはひとりぼっちじゃないよ」というメッセージを届けたい。そして同時に、当事者以外の人にも、「きょうだい児」がもつ独特な悩みへの理解を深めてほしい。そんな強い願いが込められた一冊です。

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『みんなとおなじくできないよ 障がいのあるおとうととボクのはなし』作:湯浅正太 絵:石井聖岳

B5判32ページ・オールカラー
ISBN:978-4-284-20493-4
刊行:日本図書センター
刊行年月:2021年2月
定価:1760円(税込)

この本を書いた人湯浅正太(ゆあさ・しょうた)小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)

1981年生まれ。高知大学医学部を卒業後、自治医科大学附属病院、亀田総合病院、国立精神・神経医療研究センター病院勤務を経て、現在、亀田総合病院小児科部長。自身の経験から「障がいをもつ子どもたちや、その家族が生きやすい世の中を」という思いをもち、病気やハンディキャップをもつ子どもの兄弟姉妹(きょうだい児)の支援に取り組んでいる。

石井聖岳(いしい・きよたか)絵本作家・イラストレーター

1976年生まれ。名古屋造形芸術短期大学を卒業後、『つれたつれた』(内田麟太郎・文、解放出版社)で絵本作家としてデビュー。2007年に『ふってきました』(もとしたいづみ・文、講談社)で日本絵本賞、講談社出版文化賞絵本賞を受賞。主な作品に『おこだでませんように』(くすのきしげのり・文、小学館)『ぷかぷか』『森のイスくん』(ゴブリン書房)『ぼくはなきました』(くすのきしげのり・文、東洋館出版社)など。