【この記事で紹介する絵本】

置かれた環境で自分の役割をまっとうする手袋から感じる、それぞれの幸せ『あかいてぶくろ』

『あかいてぶくろ』(文:林 木林、絵:岡田 千晶/小峰書店、1760円、3歳から)

【読者レビュー】「手袋は失くさないように、と思っていたけれど」
私は雪の多い地方出身ですが、今は雪の降らないところに引っ越してしまったので、なんだか懐かしい気持ちになりました。私が子どもの頃は、母が手袋の右と左を毛糸でつなげて、なくさないようにしてくれていました。手袋が片方だけストーブの前に干されている場面を見て、そのことを思い出しました。
この絵本では、離ればなれになった左右の手袋、また一緒になれてよかったね…という結末にはなりません。お互いを気にかけながらも、それぞれが自分の道で自分の役割を全うし、幸せを感じています。それは、私たち大人の生き方にも通じる部分があるような気がしています。(おもちとこあらさん)

大塚健太&柴田ケイコのコンビが、ハシビロコウをユーモアたっぷりに表現『うごきません。』

『うごきません。』(作:大塚 健太、絵:柴田 ケイコ/パイ インターナショナル、1485円、0歳から)

【読者レビュー】「表紙の威力! 子どもも大人も食いつきます」
夕食後、3歳の息子に読み聞かせようとしたら、表紙を見て「おめめこわい!! 読んで!!」と大はしゃぎ。それを見た9歳のお兄ちゃんも、「ぼくも聞きたい!」と駆け寄って来て、2人してもう1回! もう1回! と大賑わいの読書タイムとなりました。
私「今度こそ!うごくかなー−?!」
息子たち「うごきませぇぇぇん!!!!」
といった具合に、読み手と聞き手のキャッチボールが楽しめ、家族で笑い転げるひとときを過ごせました(気付けば後ろで夫も笑っていました)。(カオリンゴカモシレナイさん)

玄関の滝くぐりに空飛ぶ椅子!「こんな学校あったらいいな」と妄想が広がる『ぼくのがっこう』

『ぼくのがっこう』(作:鈴木 のりたけ/PHP出版、1485円、0歳から)

【読者レビュー】「最高に面白い! すべてがツボです!!」
玄関、下駄箱、椅子と机、校舎、先生、授業、そして学校。
学校にまつわる色んな事柄が、躍動感溢れるイラストで描き込まれています。それがとにかく面白い。
「こんな○○、あったらいいなぁ」もあれば「こんな○○…ヤダなぁ…」もあります。共通しているのは、どれももとても細かくて、なんだか本当にありそうで、笑っちゃうということ。
それぞれのページにはキャラクターが隠れていて、それを探すのがまた楽しい一苦労です。一人でクスリと笑いながら読むのもよし、数人でワイワイ読むのもよし、明るくのびのび、たっぷり楽しい一冊です。
この春から一年生になる子ども達へのプレゼントにも、いいかもしれません。(こはこはくさん)

生まれて初めてぼーーっとした時に発見した、本当に大切にしたい時間『アリィはおとどけやさん』

『アリィはおとどけやさん』(作:大久保 雨咲、絵:吉田 尚令/ひさかたチャイルド、1430円、3〜5歳から)

【読者コメント】「限られた子どもとの時間」
途中でやっと交わる二人の時間がとても愛おしいです。
仕事をしていると、朝夕の忙しい時間に子どもに声をかけられても、ほとんど無意識に「ちょっとまって」とか「あとでね」と言ってしまいますが、子供が巣立つ前の限られて大切な時間、今からでも、もっともっと大切にしたいと思いました。(いちりんのはなさん)

子ども自身の視点で「成長」を描いた心が温まるおはなし『くまちゃんが ちいさくなっちゃった』

『くまちゃんが ちいさくなっちゃった』(文:トム・エリヤン、絵:ジェーン・マッセイ、訳:なかがわ ちひろ/光村教育図書、1540円、3歳から)

【読者コメント】「よく伝わってくる」
大きなくまをもらった「ぼく」。いつもいっしょのくまが気が付くと小さくなってきて…。「ぼく」の目線ですすむお話で、子どもの成長がすごくよく伝わってきます。そして、ちょっとだけさみしくもありますが、たくましくなった「ぼく」の明るい未来に、幸せな気持ちになる読後感でした。(あんじゅじゅさん)

ホネを通じて生物の不思議を学ぶ写真絵本『ホネホネたんけんたい』

『ホネホネたんけんたい』(文:松田 素子、写真:大西 成明、監修:西澤 真樹子/アリス館、1650円、5歳から)

【読者コメント】「外から見ただけではわからない不思議」
息子たちが小さい頃読んだことはあるのですが、改めて小2の息子が「国語の教科書におすすめ本として出ていたから読んでみたい」と言うので、「読みたい」と言ったときがベストタイミングだと思い、早速借りて読みました。
8歳児は一人で読み、5歳児には読んであげました。
骨と意識したらちょっと怖くなるのですが、おちんちんや尻尾の長さなど、外から見ただけではわからない不思議に「面白いね〜」と親子で夢中になって読みました。(まことあつさん)

ドアを開けると予想外の海の生き物が登場!『ドアをあけたら うみのおうち』

『ドアをあけたら うみのおうち』(作:しまだ ともみ/東京書店、1320円、3〜5歳)

【読者コメント】「カラフルでかわいい絵」
とにかくカラフルではっきりした絵がかわいいです。海の中ってこんなにいろんな色があるんだなあと感心しました。子どももドアをトントンと叩いて自分で開くのが楽しい様子です。窓から見える様子とドアを開けたときの様子が違っておもしろいです。(えだこさん)

絵本の楽しさと図鑑の解説が合わさった『きせつの図鑑(小学館の子ども図鑑 プレNEO)』

『きせつの図鑑(小学館の子ども図鑑 プレNEO)』(監修:長谷川 康男/小学館、3080円、5歳から)

【読者コメント】「小学校受験対策に!」
小学校受験のために購入した一冊でしたが、人として日本人として大切なことがたくさん載っていて、子どもだけではなく、大人もとても勉強になります。
十五夜なんて、子どもが生まれるまで意識したことなかったけど、これだって立派な季節の行事。準備して、当日はお団子をつくって、晴れることを祈りながら、娘とワクワクして夜を待ちました。受験にももちろん役に立ちますが、それ以上に日常をより豊かに過ごすためのヒントがたくさん載っています。(きゃほさん)

アニメーションのズーム・イン、ズーム・アウトの技法を絵本に使った、新感覚の文字のない絵本『ZOOM』

『ZOOM』(作・絵:イシュトバン・バンニャイ/復刊ドットコム、1980円、2歳から)

【読者コメント】「文字なしでこの没入感」
これぞ絵に惹き込まれる絵本。文字無しなので、読み聞かせる側は大変楽ちんです。しかも「次のページはどうなっているんだろう?」という期待でページをめくる手がはずみます。まさに読み聞かせタイムのオアシス。
子どもとリアクションしながら読み進めるのが楽しかったです。文字の読めない子ども1人でも読めるので、お父さんに「これすごい絵本だから読んであげる」と読んであげていました。こんな風に意表をつかれる絵本たちにたくさん出会いたいものですが、なかなか出会えないので嬉しいです。ネタバレ厳禁、ぜひ手に取って読んで欲しいです。(ジル子さん)

世界で愛される絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』の25年ぶりの続編『おともだちに なってくれる?』

『おともだちに なってくれる?』(著:サム・マクブラットニィ、絵:アニタ・ジェラーム、訳:小川仁央/評論社、1650円、3歳から)

【読者コメント】「本当は何も言わなくても友達になれる」
大人になってから、まったく損得勘定なく「おともだちになってくれる?」と正面から堂々と言うことなんて、なかなかないですよね…。表紙を見て、しみじみ思いました。
ユキウサギのチップスの「おともだちになってくれる?」という問いかけに対して、チビウサギは“いいよ”と思うだけで、返事はしません。その後も、チビウサギからチップスに話しかける台詞は出てきません。でも、一緒に遊んでいる様子はとてもいきいきしていて楽しそう。だからこそ、最後の「ぼくのともだちさ」という言葉が効いてくるのだと思います。
遊ぶのは、1人より2人のほうがもっと楽しいということ。子どもは友達をつくることで、家族以外の新しい世界を作っていけるということを、あらためて感じる作品でした。(おもちとこあらさん)

山岳民族シェルパへの感謝の気持ちを込めて描いた山岳絵本『シェルパのポルパ エベレストにのぼる』

『シェルパのポルパ エベレストにのぼる』(文:石川 直樹、絵:梨木 羊/岩波書店、1980円、4〜5歳から)

【読者コメント】「エベレスト街道へ気持ちが羽ばたきます」
あこがれの世界に一歩踏み出すポルパの心の動き、目標を達成するポルパのけなげな努力に励まされます。
エベレスト登山への手はずは、写真家で登山家でもある作者の石川直樹さんならでは。縦見開きいっぱいに描かれたエベレストへの詳細なルートは子どもと一緒に大人も指でたどって楽しめます。そして、梨木羊さんの細やかな優しい絵が、エベレスト街道を彷彿させてくれます。
シェルパの活動は地味ですが、その丁寧な仕事ぶりは子育て中のパパママの役割に似ているなと思いました。子育ても山登りも、いきなり頂上へはたどり着けません。一歩一歩、一日一日の積み重ねがいつか必ずくる子どもの成長につながります。パパママへのエールにもなる絵本です。(こじこじこじろうさん)