スマートフォンで漫画を読みながら運転する車に追突されて命を奪われた女性の遺族が、事故現場の高速道路で献花を行い死を悼みました。さらに遺族は、危険な運転への罰則強化を目指し「被害者遺族の会」を立ち上げたことを発表しました。

地元のラジオ局でパーソナリティを務めていた井口百合子さん(当時39歳)。明るい女性だった百合子さんは、関越自動車道の下り線でオートバイに乗っていたところに、後ろから来た車に追突されて、突然その命を奪われました。
魚沼市の高速道路の事故現場には、事故から1年がたった今でも当時の傷跡がくっきりと残されています。命日の10日、夫の貴之さんをはじめとする遺族が現場に足を運び花を手向けました。

「現場で一番最初に目についたのが当時の事故の傷跡」
「痛かっただろう、つらかっただろう、という思いが込み上げてきてとても悲しくなった」(夫の井口貴之さん)

この事件で起訴された下山公堂被告は、いわゆる「ながらスマホ」のドライバーです。
スマートフォンで漫画を読みながら車を運転していました。
過失運転致死の罪で懲役3年の実刑判決が確定していますが、遺族はより厳しい刑を求めていました。しかし、最高刑が懲役20年となる危険運転致死傷罪は、スマホのながら運転が規定にないために適用されませんでした。

「怒りを誰にもぶつけることもできずに、頑張って生きるしかないというつらい心境は遺族しか知らないと思う」(母親の水野八重子さん)

夫の貴之さんは百合子さんの命日に合わせ、「ながらスマホ運転被害者遺族の会」を立ち上げたことを発表しました。
メンバーは現在16人で、ながらスマホ運転に対する法改正を主に訴えていく方針です。

「一番の目的は、ながらスマホに対する法改正。厳罰化によって事故の抑制につながると思っている」(井口貴之さん)

二度と同じ悲劇を繰り返さないために、百合子さんの命日に遺族は改めて誓いを強くしています。