検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(ZHD)とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。日本経済新聞が14日朝刊一面トップで報じた。

 ZHDの株式を4割握るソフトバンクとLINEの株式を7割保有する韓国ネイバーが協議しており、月内の基本合意を目指すという。LINEの対話アプリの利用者数は国内外合わせて約8000万人で、ヤフーのサービスは約5000万人。さらに金融、小売りなど多様な事業を手掛けており、統合が実現すれば東アジアを基盤に一億人を超すユーザーをもつ「メガプラットフォーマー」が誕生することになる。

メインバンクのみずほも統合を後押し

 筆者はこの動きを週刊文春(10月10日号)のTHIS WEEK欄で「ソフトバンクグループの窮地で 孫正義が狙うLINE買収」と題して取り上げた。その裏取り取材で浮かびあがったのは、両社の統合は経済合理性があり、メインバンクも後押ししているということであった。両社の結節点にいたのはみずほフィナンシャルグループ(FG)だった。


孫正義会長兼社長 ©時事通信社

 ZHDを含むソフトバンクグループ(SBG)のメインバンクはみずほ銀行であり、LINEのメインも同行。しかも、みずほとLINEは共同でネット銀行「LINE Bank」を設立、来年の開業を目指して準備を進めている。また、SBGの孫正義会長兼社長によるアーム買収(3兆3000億円)でファイナンスしたのはみずほ銀行であり、孫氏が立ち上げた「ビジョン・ファンド」にも関与している。

LINE取り込みは今年4月時点で念頭に

 SBGによるLINE取り込みは、ヤフーを会社分割して持株会社ZHDを立ち上げると発表した今年4月時点ですでに念頭にあったと思われる。ZHDは買収の受け皿となるインキュベーター(ベンチャー企業の支援を行う団体)となるもので、実際、10月1日の設立を待つように、ZOZOもZHD傘下に入った。そしてLINEである。

 SBGの買収戦略の巧みさは、組織再編と税・会計処理の妙にある。「親子・孫上場によるガバナンス上の問題はあるが、中間持株会社を巧みに使い買収を仕掛ける。同時に合法的な税的なメリットを最大限に活かしている」(メガバンク幹部)と言っていい。今回のLINEとの統合においても、SBGとネイバーは共同出資の新会社を作り、その子会社にZHDが入る形が検討されているが、これは暫定的な形態で、いずれ株式交換等によりグループ内で組織再編されることになろう。LINEは事実上、SBGに買収されると見ていい。