年度変わりというものは、日本中で様々な制度の変更が行われます。

 大々的な変更であればメディアも大々的に取り上げるので、「ああ、変わるんだな」と意識することもできますが、すべてを大々的に、というわけにもいきません。中には地味に変更したため、変わったことにほとんどの人が気付かない、というものも……。

 今回は、どちらかといえば地味な変更、でも、当事者にとっては意外に大きな金額の出費が絡む可能性のある変更について、です。

患者人口が多くても気づきにくい「白内障」とは

 白内障とは、眼球の「レンズ役」を果たしている水晶体が濁ってくる病気。高齢になると多かれ少なかれ起きる病気で、70代になるとほぼ誰でも白内障を患っている、といわれるほど患者人口の多い疾患だ。

 症状としては、ぼやけて見える、二重三重に見える、まぶしく感じる、暗く感じる、近視が進む、などさまざま。どの症状が出るか、日常生活でどの程度不自由を感じるかは人それぞれだが、共通するのは「当人が気付かないほどゆっくり進行する」という点。「今日から白内障になった!」ということはまずない。何年もかけて徐々に徐々に進行していくため、モノが見づらくなっていることに当人が気付きにくいのが最大の特徴といえる。別の用事で眼科を受診して、そのついでに白内障が見つかることが非常に多い。


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白内障の治療には手術が必須

 そんな白内障は、放っておいて自然に治ることはない。根本的に治せる治療法は「手術」に限られる。

 点眼薬の麻酔をした上で角膜に切れ込みを入れ、そこから中の濁った水晶体を吸い取る。これで濁りは消えるのだが、そのままではレンズの機能を失ってしまうので、できた空間に眼内レンズという直径6ミリほどの人工レンズを挿入する。手術はこれでおしまい。片目につき10〜15分程度で終了する。

 この手術は多くの場合、受ければほぼ確実に、視界はクリアになるので、

「こんなに見やすくなるなら、もっと早く受ければよかった」

 と後悔する人も少なくない。

 ところがこの白内障手術、この4月から、「トクする人」と「損する人」が出てくるかもしれない。それは治療成果の差ではない。支払う医療費に“差”が出てくる可能性があるというのだ。