10月1日、システム障害で全銘柄が売買停止となった東京証券取引所。同日夕刻に会見した東証の宮原幸一郎社長は「ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びする」と謝罪した。だが会見の場にいなかった人物がいる。東証を傘下に置く日本取引所グループ(JPX)の清田瞭CEO(75)だ。

 これには「責任を宮原氏に丸投げするようでは、ガバナンス上問題だ」(機関投資家)との声が噴出。しかも、その2日前の9月29日の定例会見で一部信託銀行が株主総会の議決権を不適切に集計していた問題を「企業統治の根幹に関わる」と非難したばかり。「システム障害は不適切集計ほどの問題ではないということか」(信託銀行幹部)との批判も出ているのだ。


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 大和証券出身の清田氏は「若い頃から将来の社長候補と目され、MOF担(旧大蔵省担当)も経験したエリート」(大和証券OB)。債券畑が長く、99年には「大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ」の社長に就いた。03年には政府から産業再生機構の社長就任を打診されたが、エスビーキャピタルのインサイダー取引疑惑が明るみに出たことを理由に断っている。

 ただ、大和の関係者はこんな舞台裏を明かす。

「清田氏は恐妻家。産業再生機構の社長は給与も安いうえ、身辺警護も大変になるのでやめてほしいと奥様に反対されたようです」