三菱UFJ銀行に“半沢頭取”が誕生する。同行は4月1日付で、半沢淳一常務執行役員(55)が頭取に就任することを発表。計13人いる副頭取、専務を抜き、年功序列を重視してきた同行では初めて、常務から頭取になる抜擢人事だ。

「週刊文春」は10月1日号で “半沢頭取”を予測 していたが、本誌の取材に対して半沢氏を「非常に優秀な人」と太鼓判を押したのが、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行会長である。

「平野氏は今も行内で大きな影響力を持つ。現頭取の三毛兼承氏は同じ慶應大経済学部卒で、半沢氏より年次が1年上の林尚見常務執行役員を推したようですが、平野氏に押し切られた形です」(メガバンク幹部)

 半沢氏は県立浦和高校から東大経済学部に進み、88年に旧三菱銀行に入行した。入行4年目に旧大蔵省国際金融局に出向し、政治家との折衝も担当。以降はほぼ一貫して企画畑を歩み、「将来の頭取候補」と目された。同期一番の出世頭で、14年に49歳の若さで執行役員に上り詰める。

「19年にはCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)に就任し、マネーロンダリング対策を指揮していた。日本のマネロン対策には米金融当局から厳しい視線が注がれてきましたが、担当役員として対応していました。小山田隆頭取(当時)が17年に健康問題で突如辞任し、平野氏が全銀協会長に再登板した時も経営企画部長として支えてきた。そうしたこともあり、平野氏からの信頼が厚かったのです」(同行OB)

 さはさりながら、異例の“13人抜き”に不満の声は出ていないのか。