テレビ出演はすべてノーギャラ

 店頭での取材の収録が終わり、オンエアの映像でテレビ画面の中の自分を見ると、すごく新鮮でワクワクするというのも本音です。取材にきちんと答えられていれば、それは僕の商品知識がしっかりしている証でもありますから。

 取材を通して、いわば自分で自分をテストしているようなものです。普段はこうした商品知識を、お客さんに品質のいい野菜や果物を美味しく食べてもらい、喜んでもらうために役立てていますが、取材では僕の知識が正しくてタイムリーな報道に繋がる。アキダイのお客さんの役に立つことが嬉しいのと同じくらい、メディアのみなさんのお役に立てることも嬉しいんです。

 ちなみに取材はすべてノーギャラで、一銭ももらったことはありません。アキダイという店の名前はずいぶん知名度が上がりましたが、僕がテレビに出たくらいで店の売上げが増えるなどということはない。八百屋という商売はお客さんの日々の買い物によって成り立っているので、少しくらい名前が売れたから業績が上がるほど甘くはない。

 それでも取材を受けるのは、困っている人がいたら放っておけない性分だから。テレビ局のディレクターさんが僕を頼りにして取材を申し入れてきたのに、断ったら困るでしょう。だから、ノーギャラでも何の不満もありません。誰だって街で人に道を聞かれたら教えてあげますよね。そのときにお金なんて要求しませんよね。僕からすれば、テレビの取材も一緒。

 前にも述べたように、これは人のためというより自分のため。仮に、僕が困っている人を放っておいたら、その後、「あの人どうなったかな?」って気になってしょうがない。そんなふうに気を揉むのが嫌なんです。

 それと、これは僕が“ブーメランの法則”と呼んでいるんですけれど、人にいいことをすると、いつか巡りめぐって自分に返ってくるような気がする。それを見込んで困っている人を助けているわけではないし、たとえ見返りがなくても、僕は放っておけないんでしょうね。

【前編を読む】「『儲かっているでしょ?』なんて言われますが…」TV番組でおなじみ“スーパーアキダイ”社長の“意外な実生活”

(秋葉 弘道)